ASCII Connected Industries Award:
すごい! PCやスマホで成長するAI
アスキースタートアップは3月22日、赤坂インターシティでハイテクスタートアップのプレゼン大会「ASCII Connected Industries Award」を開催。5つの会社が、未来の社会をつくる技術No.1の座をめぐって争いました。
大賞を獲得したのは東京工業大学 長谷川修研究所生まれのAI技術を活用するSOINNです。データを元にネットワークを構築するAIを開発しています。スマホのように小さなコンピューターの中でも、データがたくさんなくてもすばやく学習できるため、いろいろな人や会社で使えそうなところが評価されました。SOINN代表でもある長谷川さんは「人様の役に立てるようにしたい」と話していました。
大会はIoTやハードウェアの会社を集めたイベント「IoT&H/W BIZ DAY」で開催され、注目を集めました。SOINN以外も審査員特別賞を受賞しています。
手元で育てるAI
SOINN
SOINNは学習型汎用人工知能です。画像、テキスト、気象データなど、あらゆるデータを読み込み、入力したデータに連動したモデルを自動生成・更新します。会社のパソコンに入れて社内で使えるため会社のデータがもれる恐れがありません。特徴は少ないデータからでも比較的効果が出せること。400枚ほどの画像による学習でもロボットのセンサーに使えた事例があるそうです。質問に対する答えが「なぜその答えになったのか」ということも説明する情報も出力できます。学習済みAIは使いまわすこともできます。
セブン銀行との実証実験では、SOINNを使って2万2000台のATMから5年分のデータを学習させて90日分の予測をさせた事例があるそうです。使ったのはIntel Core i7を搭載する普通のパソコン1台だけ。学習はわずか2時間強で終わったそうです。
これからはSOINNをスマホに入れて、みんなに「自分専用のAI」として使ってもらいたいと考えているそうです。スマホに入ったSOINNはやがて、自分たちの代わりにいつも行く店の割引券を探してきてくれたり、大盛りのラーメンを食べてもカロリー的に大丈夫かをアドバイスしてくれるようになるかもしれません。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります