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kintoneの活用が相談できるウィルビジョンの「モーニングプラス+」をスタート

コーヒーやサンドイッチも楽しめる“リアル”なkintone Caféが名古屋に

2018年03月20日 09時00分更新

kintone三昧の読者のみんな、kintoneの使い方をお互いに学び合える勉強会kintone Caféには行ったことがあるだろうか。いろいろな使い方を知ることができて、多くの気づきを得られる勉強会なので、まだ参加したことがない人は要チェックのイベントだ。しかしもう少しだけ深く、具体的な活用について相談したいと思ったら、名古屋にある“リアル”kintone Caféともいうべき「モーニングプラス+」を頼ってみよう。

モーニングプラス+の会場となるカフェ「.dot」

kintoneの活用相談ができる本物のカフェを始めたのは、“場”がなかったから

 「kintoneの導入相談は、サイボウズがやっています。でもオフィスの場所の都合から、東京と大阪でしか相談を受けていないんですよね。それに、サイボウズでは導入までの指南はしてくれますが、使い始めた後の活用相談は基本的に受けていないんです」(ウィルビジョン 代表取締役 内川 和茂氏)

ウィルビジョン 内川 和茂氏

 サイボウズはkintoneを取り巻くエコシステムを重視しており、導入後のサポートはユーザー同士のコミュニティやSIerにあえて任せている面がある。実際にユーザー会やSIer同志の連携も活発に行われており、その姿勢に間違いがないことは筆者も感じるところだ。しかし一方で、そうしたコミュニティに参加しにくい人がkintoneの導入後に相談する“場”がないと、内川氏は言うのだ。

 「『簡単に使えます』というフレーズが先走っていて、実際に使い始めるのは簡単なんですが、これまでの社内システムのようなイメージで使おうとすると難易度が上がるんですよね。そういう声も聞こえてきていたので、東京と大阪に挟まれて空白地帯になっていた名古屋で、kintoneの導入相談に加えて導入後の活用相談までできる“場”をウィルビジョンが作ろう、と」(内川氏)

 ウィルビジョンはフルスクラッチ開発が可能な企業で、なおかつkintoneにも詳しい。もちろんサイボウズのオフィシャルパートナーに登録されており、サイボウズアワード2017ではコンサルティング賞を受賞している。そんなウィルビジョンだからこそ、「kintoneでは○○ができないよね」を解決するアイデアを豊富に持っている。そのノウハウを惜しみなく見せつつ、kintoneの導入からその後の活用についてまで相談に乗ってくれる、それが同社のサービス「モーニングプラス+」だ。

 サイボウズでは、オフィス内に設けられたカフェエリアで導入相談を行っている。名古屋でも同じようにカフェっぽい場所で、いやむしろ本物のカフェで相談を受けようと、ウィルビジョンと同じビルの1階にあるカフェ「.dot」をその“場”として選んだ。こうして、本物のカフェでkintoneの使い方について相談ができる、“リアル”kintone Caféが誕生したのだった。

リアルなカフェで相談を受けることにはいろいろな意味があった

 最初は「サイボウズさんがカフェっぽいエリアで相談を受けているから、うちもカフェにしよう」なんて冗談ぽく語った内川氏だが、本物のカフェでkintone活用相談を受けることでいくつものメリットがあるのだと、真面目な理由も教えてくれた。

 「ひとつは、参加しやすいってことですね。SIerのオフィスに行ってITの相談をするとそのまま何かをお願いしないといけないみたいなハードルがあるでしょう。そうではなく、カフェに通う感覚で気軽に来て欲しいんです。すでに他社さんがSIに入っている案件でも、気軽に相談に来てもらいたいんです」(内川氏)

モーニングプラス+に使われる席は一段高く、半個室風で落ち着けるよう配慮も

 確かに、味気ない会議室に通されるよりもイタリア料理やお酒も提供するお洒落なカフェに行く方が、心理的なハードルはかなり低くなる。しかもモーニングプラス+では、初回無料の範囲でアイデアを得て帰り、自分たちの手でkintoneアプリを開発、改良すればコストはかからない。コストがかかるのは、本格的なコンサルティングや開発をウィルビジョンに依頼する場合だけだ。これも十分に魅力的だが、もうひとつの理由の方が筆者には魅力的だった。

 「このカフェのPOSはkintoneを使って作られているんですよ。実際の店舗でコーヒーを注文し、それを飲んでもらいながら、そのお店で実際に稼働中のシステムを見せることができる。とってもわかりやすい事例になるでしょう?」(内川氏)

 まったくその通りだ。勉強会では資料とプレゼンを通していくつも事例を聞くことができるが、実際に使われている現場を見せられる方がインパクトは大きく、理解も早い。しかもシステムの裏側まで見せながら、kintone単体でできるのはどのあたりまでなのか、追加で開発が必要なのはどの機能なのかということまで説明してくれるのだ。売上管理やメニューのマスターデータなども生きたデータを見せてもらえるので実にわかりやすい。

レジの画面は作り込んであるが、マスターデータや売上データの管理はkintoneが使われている

 「技術的な疑問があれば、オフィスからエンジニアを呼んで説明させることもある」(内川氏)というから、至れり尽くせり。カフェに行く気軽さで、kintoneに関する疑問を解消できる貴重な場と言ってよいだろう。

手の内バラしの慈善事業かと思いきや、参加者にもウィルビジョンにもメリット大

 それにしても、実際に使っているシステムや社内のデモ環境などでkintone活用のヒントを惜しみなく開示し、それを聞いて帰って自分たちで社内開発すればコストはゼロ円って、まるで慈善事業じゃないか。筆者のそんな疑問に内川さんは、大きく首を横に振った。

 「確かに、kintoneのユーザーを増やしてエコシステム全体の活性化に貢献したいというのは、大きな目的です。しかし、そのためにウィルビジョンが疲弊したのでは意味がありません。だから、ビジネス的にも負担が少ない仕組みを考えています。実は、カフェに来てもらう理由のひとつでもあるんですよ」(内川氏)

 カフェに来てもらえば、ウィルビジョンのスタッフは移動に時間もコストも取られない。用事が済めばすぐにオフィスに戻れるので、エンジニアを同席させる時間も最小限に抑えられる。しかし、幾らコストがほとんどかからないと言っても、ある程度ビジネスにつながらなければ続けられないはずだ。そんなに多くの利用者が、有償の開発案件にまで進むのだろうか。

「自社で開発できるのがkintoneの魅力ですし、内製化したい企業がkintoneを選びやすいという背景がありますから、モーニングプラス+に来てくださる方も多くは無料相談の範囲でお帰りになります。ビジネスにつながるのは、1割程度といったところでしょうか。本当に、気軽に無料相談を使ってくださっていますね」(内川氏)

 内川氏は笑顔でそう言った。つまり9割近く、ほとんどの参加者は無料でkintone活用のつまずきを解消したり、活用のアイデアを得たりして帰っているということだ。それでも続けられる理由のひとつが、ウィルビジョン側が負担するコストの低さだ。カフェに来てもらうという仕組みなので、ウィルビジョン側には移動コストがない。いまや技術情報はオープンになっているものが多いので、活用ノウハウを開示するデメリットも少ない。

社内のデモ環境だけではなく、「.dot」で実際に使われているアプリも見せちゃう大盤振る舞い

 「むしろ、これだけの負担で新しい潜在顧客に出会えるメリットの方が大きいくらいですよ。新規顧客を開拓するには通常、かなりのコストがかかります。それに比べると、1割程度でもビジネスにつながれば私たちには十分なんです」(内川氏)

 参加者はカフェに通う感覚でkintoneの活用方法について相談できて、ウィルビジョンは潜在的な顧客、それもすでにkintoneを検討もしくは利用している人に会うチャンスを得る。きちんと両者にメリットがある仕組みになっているのだ。モーニングプラス+は「カフェに通う感覚で」と掲げられているとおり、気兼ねすることなく利用したいサービスだった。

 なお、カフェという場は女性にも人気が高い。ウィルビジョンのメンバーが牽引して立ち上げたkintone Café名古屋女子会も、同じ場所で開催しているという。Kintone Caféのあとはそのまま同じ場所でスイーツにドリンクで懇親会もできる。きっと楽しいに違いない。お近くのkintone女子はこちらもぜひチェックしてほしい。

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