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米国人の6割が「SNSをやめるのは簡単」と言うけれど……

2018年03月15日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

機能の問題に限ればやめる理由はない?

 SNSの統合された様々な機能を考えると、多分やめる合理的な理由を見出すのは難しいでしょう。

 Facebookは友人との様々なシーンで、とてもスマートに解決してくれています。個人的なやりとりはメッセンジャーがあり、転職しても連絡先は変わりません。複数の人たちで何か議論するならグループチャットがあり、メールのCcへの入れ忘れを気にする心配もないでしょう。もちろんテキストだけでなく音声やビデオにも対応します。

 イベントやグループを作れば、写真の共有もワンタッチ。なにより、その人のGmailアドレスを聞き出す必要はありません。もしイベントで新しい人と出会えれば、その場ですぐに友達になって、共通の友人の話題で打ち解け合うこともできるでしょう。

 そのため、やめられるけどやめる必要はない、と考える人のほうが多いんじゃないか、と個人的には感じています。それだけSNSの代表的存在であるFacebookの機能は充実し、合理的なものであり続けると思うのです。

 Facebookは、フェイクニュースが広まる場にならないようにすること、そして友人同士のコミュニケーションを第一に考えることを主眼とした方針転換を進めており、ウェブのニュースやバイラル動画のニュースフィード内での優先度を下げる決定をしました。

 このことは、如実にユーザーの滞在時間の減少をもたらしており、その数字は実に毎日5000万時間。それでも、友人や家族とのコミュニケーションの促進に意味のある情報や体験が優先されることが、将来的なFacebookのためになる、というのはFacebook CEOのMark Zuckerberg氏のコメントです。

 この手のテーマは、引き続き考えていきたいと思っています。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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