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ツイキャスでにわかに人気になりつつある「お勉強中」放送

勉強や宿題中にライブ配信をする 若い人たちなりの「気持ちの共有方法」

2018年02月27日 19時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda) 編集●ちゅーやん

 YouTubeへ投稿される動画でも、ツイキャスやLINE LIVEでのライブ配信でも、カメラやスマートフォンを目の前に置き、自分自身が映る、いわゆる「自撮り」の投稿や配信が多く見受けられるようになりました。

 インスタグラムへ投稿されるセルフィー(自撮り)写真と同じように、自撮りの動画やライブ配信は「投稿や配信をしているその人自身の“人となり”を垣間見る」ことができます。さらに言えば、見ている人(視聴者)はパソコンやスマホの画面を通じて、画面の向こうにいる人(投稿者・配信者)の性格や、その人ならではの話し方や仕草を感じ取ることができます。これは、動画やライブ配信ならでは特徴でもあると思うのです。

 ところが、最近では顔を写さないで放送する人も増えてきています。ライブ配信は主に顔を出すことが多いのですが、「顔を写したくない!」と考える人にとっても非常に身近なジャンルになってきています。

お互い励まし合う「お勉強中」ライブ配信は“若い人ならではコンテンツ”

 ツイキャスでよく見られるジャンルのひとつに「お勉強中」というカテゴリがあります。これは、部屋で勉強をしているところをライブ配信しているもの。

 見てみると、スマホを自分の斜め前に少し離して置き、テーブルの上にノートや教科書を広げたアングルにしている人が多いようです。これは顔を見せずとも、見ている人にその場の雰囲気を共有できるアングルの工夫のひとつですね。ポイントは、固定するスタンドの高さはなるべく低く、もしくは、スマホをなにかに立てかけるぐらいの、テーブルの面にできるだけ接した位置に置くのが良さそう(ただし、スマホがバタリと倒れることによって、自分が映ってしまわないように工夫しましょう!)。

 視聴者視点からは「少し広めの机の上に、腕を枕にしてうつ伏せとなり、目線を少し上に上げて、対角線上に座り勉強している友だちの光景を見ている」ような感じになります。スマホやパソコンの画面をとおしていっしょに勉強している状態を作り上げているのです。

 大人からすると「勉強中にライブ配信なんて」と言ってしまいそうになるのですが、「勉強(宿題や課題)するのは面倒だけどやらなきゃならない」そんな気持ちを同じ世代の人たち同士で共有したい気持ちはわかります。

 ライブ配信ならではのリアルタイムでコミュニケーションができるチャット機能によって「お疲れさまー」とか一言お互い励まし合う光景は、友だちが勉強している自分の机へ近づいてきて、一声かけて、また戻っていくような雰囲気にも見えます。

 一人で勉強するのは寂しい。でも、こうした「お勉強中」ライブ配信を見ていると、「あ、あの子も頑張ってるから頑張ろうかな」と、自分のモチベーションの向上の一助にもなりえるのかなと思うのです。

スマホ一台で「飽きずに見てもらえる」工夫をするのが楽しい

 自撮りのライブ配信(セルフィーライブ)も楽しいものですが、顔を見せずともいろんなライブ配信の楽しみ方があります。今回例として挙げたお勉強中配信も配信者の顔そのものを写すことを目的とはしておらず、気持ちを共有することをメインに考えているのではないかと思います。

 勉強配信以外で顔を出さない(=顔出しを主目的にしていない)ライブ配信だと、画面そのものを写さない「ラジオ配信」のようなジャンルもあります。ラジオ配信とは、カメラ(映像)は「オフ」で音声のみでライブ配信をする形。家にいても、外出先でも、気軽に音声だけでライブ配信をすることができます。

 ラジオ配信以外にも、ハンドメイド作品をリアルタイムで制作したり、お絵かきしたりするような放送を見受けられます。ライブ配信をするにあたって、「顔を出して放送することはマストではない」のです。それこそ、スマホさえあれば手軽に放送できます。もちろんスマホだけで放送すると画角や内容などに限界はありますが、視聴者を飽きさせない工夫はさまざま。

 ライブ配信は人気だから自分も挑戦してみたい、でも顔は出したくない。そんな人にとってもライブ配信をする方法はいくらでもあるのです。もちろん放送内容などは創意工夫が必要ですが、「気持ちを共有」することを念頭に置くと、配信する自分自身だけでなく、視聴者も巻き込んだ非常に楽しい放送になるでしょう。

ライブメディアクリエイター
ノダタケオ(Twitter:@noda

 ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。これらの経験に基づいた、ソーシャルメディアやライブ配信・動画メディアに関する執筆やコンサルティングなど、その活動は多岐にわたる。
nodatakeo.com

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