今年の12月1日からスタートする4K・8K放送。2011年の地デジ化からおよそ7年が経過し、薄型テレビの買い換え需要も増えている現在、4Kテレビへのグレードアップを検討している人も少なくないだろう。
そんな人にとって、BS/110度CS放送で開始される4K・8K放送は気になるはず。
4K・8K放送特集の第2回は「機材編」。4K・8K放送を視聴するために必要な機材について、詳しく解説していこう。
現行の4Kテレビで4K・8K放送を見るなら
対応チューナーを追加する必要がある
まず知っておきたいことは薄型テレビについて。現時点では4K・8K放送のための受信用チューナーが未登場で、現行の4Kテレビなどでは新規に4K・8K放送用チューナーを追加する必要がある。
いずれは対応チューナーを内蔵した4Kテレビなども登場すると思われるので、4K・8K放送が本命という人はそうしたチューナー内蔵の4Kテレビの発売を待った方がいい。遅くとも年末までは各社から発売されるはずだ。
なお、8K放送を8K解像度で見たいなら、当然4Kテレビではなく8Kテレビを買う必要がある。現在シャープの70V型8Kテレビ「LC-70X500」が約100万円という価格だが、PC用ディスプレーに目を向けると、デルの31.5インチ8Kモニター「UP3218K」が約50万円という価格。UP3218KはHDMI入力がないのでそのまま対応できるとは思えないが、やや小さい画面サイズの低価格なテレビ、というのは期待できるかもしれない。
現行の4Kテレビでは4K・8K放送に完全対応できないモデルがある
では、現在4Kテレビを持っている人はどうすればいいのか。今後発売されるであろう4K・8K放送用チューナーを用意すれば、過去のモデルも含めて多くの4Kテレビで4K・8K放送の視聴が可能になる。ただし、完全対応ができるかどうかは、4Kテレビによって異なってくる。
4K・8K放送の特徴は
- 4Kあるいは8Kの高解像度
- BT.2020の広色域
- HDR(ハイダイナミックレンジ)
の3つだが、(1)や(2)については、よほど初期(2012年あたりに発売)の4Kテレビでない限りは対応する。
問題は(3)のHDRへの対応だ。ここ最近の4KテレビならばほとんどがHDR信号への対応をうたっている(激安の4KテレビではHDRに非対応のモデルもあるので注意)。
しかし、この「HDR」は基本的にUHD Blu-rayなどが採用した「HDR10」と呼ばれる方式のことを指している。
一方、4K・8K放送で採用されるのは、「HLG」(ハイブリッド・ログ・ガンマ)と呼ばれる別の方式。このHLG方式の信号をHDMI入力で受け取れる機種となると、ほとんどが2017年以降発売のモデル(全機種ではない)となる。
国内で4Kテレビを発売している各社ともアップデートによるHLG入力対応を済ませており、アップデート対応機種であれば4K・8K放送用チューナーを追加すれば完全対応できる。4Kテレビのアップデートによる対応状況は、各社のホームページなどを見て確認しよう。
では、HLG方式に非対応の4Kテレビはどうなるか? HLG非対応なのでHDRの高輝度表示はできないが、HLG方式はHDRと従来の映像(SDR)との互換性があるので、HLG非対応でもSDRで放送の視聴はできる。
4Kテレビなどの購入のタイミングや、HLGにも対応した4K・8K放送Readyと言える現行モデルの紹介は次回で行なうが、今4Kテレビを買う場合は、4K・8K放送への対応をよく確認しておくといいだろう。
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