最近は4K解像度に対応した液晶ディスプレーが安価になってきている。とはいえ、依然としてフルHD、いわゆる1920×1080ドットの製品を利用しているユーザーが多い。実際、読者の大半はフルHDの液晶ディスプレーを使用しているのではないだろうか。
しかし、没入感や臨場感を高めたいと考えている一部のゲーマーにとっては、フルHDで物足りないと感じている人も少なくない。また、PCで映画を視聴することが多い人にとっても、同様の思いをしている人もいることだろう。
そういった人にとって、魅力的な選択肢となるのが、シネスコサイズの液晶ディスプレーである。日本エイサーは、2016年にシネスコサイズに対応した34型湾曲ウルトラワイドモデル「Predator X34(X34bmiphz)」を発売して注目を集めた。発売からしばらくして売り切れする店が増え、一時期品薄になっているほどの人気だったという。
その日本エイサーからPredator X34の後継機となる「Predator X34P(X34Pbmiphzx)」が登場した。当然、このPredator X34Pも、その名のとおり前モデルと同じくゲーミング向けとなるPredatorブランドだ。果たして、Predator X34Pは前モデルからどこが変わったのか詳しく見ていきたい。
「Predator X34P」の主なスペック | |
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パネルサイズ | 34型湾曲ワイド |
解像度 | 3440×1440ドット |
表示色 | 約10億7000万色 |
色再現性 | sRGB 100% |
パネルタイプ | 非光沢、IPS方式、LEDバックライト |
リフレッシュレート | 最大120Hz |
応答速度 | 4ms(GTG) |
コントラスト比 | 1000:1 |
輝度 | 300カンデラ |
入力周波数 | 水平:HDMI 30~140kHz、DisplayPort 73~180kHz、垂直:HDMI 24~60Hz、DisplayPort 30~120Hz |
インターフェース | HDMI 1.4、DisplayPort 1.2、7W+7Wステレオスピーカー、USB 3.0 ポート(Type-A×4、Type-B×1) |
チルト/スイーベル | -5~+35°/左右30° |
高さ調整 | 最大130mm |
サイズ/重量 | 816.8×299.1×440.7~570.7mm/9.80kg |
臨場感と没入感に優れるシネスコサイズ
シネスコサイズと湾曲ディスプレーは親和性抜群
まずは、シネスコサイズがどういったものなのか簡単に説明しておこう。シネスコとは20世紀フォックスの登録商標である「シネマスコープ」の略で、アスペクト比21:9(正確には2.35:1)の画面を指す。PCやテレビなどで映画を見た際に、画面の上下に黒帯が表示されることがあるが、それはシネスコサイズの映像に黒帯を付けることで、フルHDなどの解像度に合わせているためだ。
つまり、シネスコサイズのディスプレーであれば、そういった映画が映像のみ画面いっぱいに映し出されるようになるというわけだ。
©2016『貞子 vs 伽椰子』製作委員会
また、一般的に人間の視界は左右に120°程度と言われており、シネスコサイズはちょうど視界の端から端までが画面で収まるようになる。それゆえ、映画の臨場感が向上し、映画以外でもゲームにおいて没入感が増すというわけだ。
ただし、ゲームは必ずしも21:9で表示できる訳ではない。対応ゲームはフルサイズで表示されるが、非対応のゲームは左右に黒い部分を残して、16:9で表示される。レースゲームやMOBA、FPSなどは、対応していることが多いが、アドベンチャーゲームや格闘ゲームのほか、古いレトロゲームは21:9で表示できないことも覚えておきたい。
シネスコサイズと湾曲ディスプレーは非常に親和性が高い。というのも、平面ディスプレーだった場合、画面中央と画面端では距離の差が生じ、どうしても画面端が遠くなってしまう。しかし、湾曲ディスプレーであれば、その距離の差がなくなるため、違和感なく操作ができるようになるというわけだ。
ディスプレーの湾曲率はスペックにR値として記載されている。たとえば、今回のPredator X34Pは1900Rとなっており、これは曲線半径1900mmの円弧を指す。つまり、R値が高ければ湾曲が緩やかになり、逆に低いと急なカーブとなる。
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