週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

最大容量12TB!HDDとしては十分な性能と高い信頼性を得られる機能を搭載

HDD「IronWolf」は他社製にはない機能で200ものパラメータで状態確認! データ保存に最適って知ってた?

2018年01月31日 14時15分更新

 24時間365日稼働やRAID構築のサポートなど「IronWolf」の魅力はいろいろあるが、特徴となる独自技術や用途への最適化ファームウェアの総称となるのが「AgileArray(アジャイルアレイ)」だ。

 「AgileArray(アジャイルアレイ)」には、データを書き込む際のキャッシュをHDD内蔵DRAMのほか、ディスクプラッター上にキャッシュ領域を確保することで、万が一のファイル消去のリスクを減らすとともに、書き込み処理の速度向上を図っている。そうした、「BarraCuda」シリーズが搭載する「Multi-Tier Caching Technology」と同じ技術も含まれているが、RAID構築時の最適化や加速度センサー機能の「RVセンサー」といった「IronWolf」シリーズだけの機能が組み込まれている。

ヘッドの位置を補正するRVセンサーにより高精度なデータの読み書きが行なえる

 なかでも特徴的なのが、複数台のHDDを隣接して搭載するNASでの運用に最適化した「RVセンサー」だ。HDDは大幅な大容量化にともないプラッタが高密度化され、読み書き時のヘッドの移動にも高い精度が必要になっている。この微細なヘッド移動の大敵となる振動をの影響を抑える機能が「RVセンサー」で、回転や隣接HDDからの振動を測定し、トラッキング性能の低下を予測、事前にヘッド位置を補正することで、安定したデータの読み出しと書き込みを可能にしているという。

他社製品にはない高機能なHDD診断機能「IHM」で信頼性も抜群!

 また、「IronWolf」シリーズは、Synology製とASUSTOR製のNASと組み合わせることで、HDDの信頼性を強化できるようになっている。Seagateと両NASメーカーがタッグを組んだ形で、NASに「IronWolf」シリーズ用のHDD診断機能「IHM(IronWolf Health Management)」を搭載。この機能は4TB以上の「IronWolf」シリーズのHDDを対応するNASに使った際にのみ使用でき、HDDの障害につながる異常状況を検知してくれる。

 さらに、一般的なHDDが備える自己診断機能「S.M.A.R.T.」(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)では20くらいのパラメータしか確認できないが、「IHM」では200ものパラメータでHDDの状態を判断できる。たとえば、温度や振動の異常などを「Prevention」(防止)として警告してくれる。そのため、「IHM」対応のNASでIronWolfを使えば、HDDの障害がユーザーにわかりやすい形で警告され、想定寿命もテストで確認できる。これは、他社のHDDにはない機能なので、対応するSynology製とASUSTOR製のNASを購入したり、すでに使用していたりするなら4TB以上のIronWolfを使っておくことをオススメしたい。

加速度センサーはHDDの基板に搭載されている

回転振動を検出するため、加速度センサーは制御基板の対角線上2カ所に搭載されている

SynologyはNAS向けファームウェア「DSM 6.1」で、「IHM」に対応。「ストレージ マネージャ」の「HDD/SSD」に「Iron Wolf」のロゴが表示され、「Iron Wolf 正常性ステータス」や「想定寿命」などの情報が表示される

「健康状態」の「Iron Wolf 正常性」からテストが実行でき、テストのスケジュール設定も可能になっている

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう