Windows 10が登場してから、約2年半が過ぎようとしているが、企業によってはいまだにWindows 7のままとどまっているところも多いだろう。その間にWindows 8、8.1があるので、5年もの間OSを更新していないことになる。そんな“乗り換えられない”企業へ向けて11月に発売されたのが「VAIO Pro PB」だ。
ベースとなっているのは1つ前の「VAIO Pro 13|mk3」。インテル第6世代Core プロセッサーを搭載し、SSDは128/256GBや第三世代 ハイスピードSSD 256GB、第三世代 ハイスピードプロSSD 512GBのほか、新たに暗号化機能付きSSD 128/256GBが選択できるようになった。OSは、Windows 10も選択できるが、ほかの「VAIO Pro」シリーズが選択できない「Windows 7 Professional」が選べるのが特徴だ。
なぜWindows 7が導入され、いまも使われ続けているか
かつてWindows OSのなかでも長年親しまれたWindows XPのメインストリームサポート、拡張サポートが終了したのが2014年の4月。これによりセキュリティー的に安全が確保できない状態になったため、企業としてはOSを更新せざるを得なかった。XP特需などとも言われている。
そこで導入が進んだのがWindows 7だ。当時最新版だったWindows 8ではない理由は、Windowsのシンボルでもあった「スタート」ボタンを排除するなどの大胆なUI改革をしようとしたが、ユーザーはあまり受け入れてはくれなかった点などが背景にある。逆にWindows 7はXPの正統進化版のような存在で、UIも大きくは変わらず、従業員に対して教育する必要もあまりないため、企業としては導入しやすい面があった。
もうひとつはちょうどOSが従来の32ビットから64ビットが主流になり、従来動作していたアプリケーションが動作しない可能性があったことも、導入に躊躇する原因にもなった。新規マシンの導入だけでなく、アプリケーションの更新もしくは開発が必要となるため、コストが嵩むからだ。
アメリカの調査会社Net Applicationsによると、2017年11月のWindowsのシェアは、Windows 7が約43.1%、Windows 10が約32%と徐々にではあるが、両者の差は縮まりつつあるものの、グローバル的に見てもWindows 7の使用率は高いのが現状だ。拡張サポートが続く限り、Windows 7マシンの需要もまだまだありそうだ。
また、Webブラウザー「Internet Explorer(IE)」の存在も大きい。8はもちろん10にも標準で搭載されて入るが、10は新ブラウザー「Edge」がメインブラウザーとなりIEはスタートメニューのWindowsアクセサリーの中から選ばなければならない。ただ、企業で利用しているソリューションの中には、IE上でしか検証が取れてないSaaS型のアプリケーションも多く、EdgeやほかのWebブラウザーへ完全移行できないのも問題である。ただ、すでにIEの開発は終了しており、古いバージョンはサポートを終了。修正がある場合のみ更新される状況だ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう