フリーライターは多数の企業から多数の案件を受けるのと同時に、営業もして新規開拓し、お金にならなくても関係性を構築したりする。この原稿執筆以外の膨大なタスクをどうやって処理するのかは試行錯誤を続けてながらも、今はGTDツールやカレンダー、エクセルなどをごり押しして運用していた。しかし最近、マーケティングオートメーション、いわゆる営業支援ツールがどうもニーズにはまるのではないか? と思いつき、今回はマツリカが手がける「Senses」を体験させていただけることになった。
Senses | |||
---|---|---|---|
プラットホーム | ウェブ | 企業名 | 株式会社マツリカ |
代表取締役Co-CEO | 黒佐英司、飯作供史 | 設立 | 2015年4月30日 |
取引形態 | BtoB、BtoC | 料金 | 初期費用:10万円、1ユーザーあたり月額5000円(税別) |
営業支援ツール「Senses」とは
株式会社マツリカは2015年4月に設立され、Sensesの開発と運営やコンサルティング業務などを行っている。サービスの公開は2016年4月からで、本格的に展開したのは2017年に入ってから。2017年8月にはDraper Nexus Venturesなど3社から1億3000万円の資金調達を実施している。
マツリカが提供する「Senses」(センシーズ)は営業案件に関する情報を一元管理し、営業プロセスを可視化、ナレッジを活用できる支援ツールだ。営業スタッフの行動と取引先、売上などをまとめて管理することで、効率的で精度の高いアウトプットにつなげられるというものだ。もちろん、営業支援ツールは企業が導入してチームで使うものなのだが、どうしても体験してみたいので、今回は筆者1人で使い倒してみた。
Sensesが支援してくれるのは、興味喚起から提案、契約といった営業部門が担当する業務となる。マーケティングやバックオフィスの業務は別のソリューションを使うのが前提だ。
この手のサービスでネックになるのが、現場スタッフのオペレーション負荷が高くなること。使いにくかったり時間がかかったりすると、情報を入力してもらえなくなり、かえってトラブルの元になりかねないのだ。その点、SensesはわかりやすいUIを追求し、直感的に利用できるほか、GmailやGoogleカレンダーなどと連携してオペレーションの負荷を低減してくれる。さらに、AIが参考にすべき案件や提案書、効果的なメールなどを提案してくれる支援機能もある。
資生堂などの大企業から、イケイケのスタートアップ企業まで導入しており、興味津々だった。今回、「個人のフリーランスライターの営業管理」という超イレギュラーな使い方にチャレンジするが、どの企業も独自ルールなどがあり、どこまで柔軟に使えるのかというのは、ビジネスに携わるみなさんにとって興味のあるところだろう。
取引先の登録やフェーズ・アクションのカスタマイズを行なう
Sensesにサインインしたら、まずは取引先を登録する。会社名を入力すると、データベースにある場合は選択するだけで一通りの情報を自動入力してくれる。取引先が多数ある場合は、CSVファイルで一括入力することも可能だ。まずは、サンプルファイルをダウンロードし、そこに追記する形で入力し、読み込めばいい。
続けて、項目をカスタマイズする。通常の営業であれば、リードからアプローチ、ヒアリング、プレゼン、クロージング、フォロー、受注といった流れになるだろう。筆者の場合は、そこまで細かい営業フローはない。リードからアプローチ、受注といった感じだ。それよりも、その後に続く納品などのタスクも一緒に管理したいというニーズがあった。本来であれば、Sensesで納品工程は範疇外なのだが、執筆中や入校といったステータス管理ができると助かる。
そこで、「フェーズ設定」を開き、フェーズを追加したり名称を変更したりした。「停止フェーズ」には「ボツ」「保留」といった項目を用意した。
続けて「アクション」を選択する。これはそれぞれの案件の中で行なったコミュニケーションやタスクを記録する機能だ。たとえば、営業であれば面談でヒアリングしたとか、メールでアポ取りをするといった内容になる。筆者は、打ち合わせや取材、営業といった内容にして、タスクには原稿作成、企画書作成などを用意した。
フェーズやアクションを自由に設定できるので、企業の業務フローに合わせてカスタマイズできるのが便利だ。
準備ができたら、案件を登録してみよう。案件は色々なところから作成できるのだが、まずは普通に取引先を開き、「案件登録」をクリックしてみよう。フェーズと商品、契約確度、契約金額などを入力する。
案件とは商談のことを差し、筆者であれば1つの記事の仕事と考えればいい。「フェーズ」はネタ出しや営業、依頼があったのであれば打ち合わせからスタートするかもしれない。「商品」は設定画面で登録した項目から選ぶ。「契約確度」は営業リソースを効率的に割くために必要な重要基準となるが、筆者の場合はざっくりでもいい扱いだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります