サイコムとジサトラのアイデアで生まれた巨大ラジエーター採用水冷PC
初のサイコム360mm水冷PC「G-Master Hydro Z370-Extreme」が期間限定販売開始!
気になるオーバークロック性能はいかに!?
全コア4.8GHz動作で安定動作する絶妙なセッティング
オーバークロック性能を見ていく前に、その前提となるオーバークロックの設定について少し触れておこう。最初の方にも触れたが、今回試した設定は、ASRock所属のオーバークロッカー、Nick Shih氏によるものだ。オーバークロックを熟知したNick Shih氏によるものだけに、安定性、そして性能面でも非常に期待できる設定となっている。あくまで検証用のみに提供されたプロファイルなのでマシンの最大性能を見る参考値として捉えていただきたい。
チューニングのポイントとしては、全コア4.8GHz動作にしてあるというのが一番の特徴。通常の動作では全コア動作時は4.3GHzとなるため、単純に500MHzのクロックアップとなるわけだ。ただし、AVX利用時は4.8GHzではなく4.3GHzとしている。これはAVXを使った場合の負荷が非常に高く、オーバークロック状態では安定した動作が難しいためだ。
こう書くとズルをしているかのような印象があるが、実は、一般的なソフトでAVXが使われることはあまり多くない。それだけに、AVXに合わせてオーバークロックの最大値を低く設定するよりも、AVX利用時はあえてオーバークロック動作させないことで、通常時の最大性能を引き上げるという絶妙なセッティングなのだ。これは個人でOCに挑戦する人もマネしたいテクニックといえる。
オーバークロックはこの倍率を変更することで実現するのが一般的だが、単純に倍率をあげるだけでは安定した動作は見込めない。もうひとつポイントとしてあるのが、コア電圧を上昇させること。今回のオーバークロック設定ではコアクロックを変動ではなく固定にし、1.290Vへと上昇させてある。ちなみに電圧は高い方が安定しやすくなるものの、そのぶん発熱が増えてしまうという諸刃の剣。また、高くし過ぎるとCPUへのダメージも大きくなるだけにこの値は参考になるだろう。
「CINEBENCH R15」と「FFベンチ」で性能の上昇をチェック!
オーバークロックでどのくらい性能が変わる?
PCが起動したら終わりではなく、どのくらい性能が向上したかをチェックするまでがオーバークロック。ということで、デフォルト設定とオーバークロック設定で、どのくらい性能が変わるのかをチェックしてみよう。
まずは定番の「CINEBENCH R15」から。CGのレンダリング速度でCPU性能を測るベンチマークソフトで、コア数や動作クロックによる性能が素直に反映されやすいテストだ。
すべてのコアを使う「CPU」の値は1445cbから1585cbへとスコアアップ。およそ9.7%の性能アップとなっており、動作クロックの上昇率約11.6%に近い値となっている。これに対し1つのコアしか使わない「CPU(Single Core)」はほとんどスコアが伸びていない。これは、デフォルト設定でも動作クロックがターボブーストで4.7GHzまで上昇するため、オーバークロック設定の4.8GHzとほとんど差がないことによるものだろう。裏を返せば、ターボブーストですら届かなかった性能に、オーバークロックなら手が届くということの証明でもある。
もうひとつ、今度はCPUと直接関係ないゲーム性能のベンチマークテストをしてみよう。こちらも定番となる「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」で、解像度は1980×1080ドット、画質は最高品質、フルスクリーンを選んでテストした。
CPUよりもグラフィック性能が重要となるゲームベンチではあまりスコアは伸びていないが、それでも17661から18124へとアップ。割合で言えば、約2.6%ほどのスコアアップとなる。さすがにCPUの純粋な性能と比べれば伸び率は低いものの、確実に高速化されているというのがわかるだろう。もっとCPUの性能が影響するゲームベンチであれば、最大10%近くの性能アップが期待できる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう