サイコムとジサトラのアイデアで生まれた巨大ラジエーター採用水冷PC
初のサイコム360mm水冷PC「G-Master Hydro Z370-Extreme」が期間限定販売開始!
実力の前に気になる選定パーツを徹底チェック
自作マニアが見ても納得の旬のパーツを採用
オーバークロック性能が気になるところだが、その前にこの特別仕様PC「G-Master Hydro Z370-Extreme」の内部をチェックしてみよう。単純に大型水冷クーラーを採用したというだけではなく、そのパーツ選びから組み立てまで、なかなか見どころのあるモデルに仕上がっている。
CPUはCore i7-8700K、グラボにはGeForce GTX 1070Tiを採用
重要なCPUにはCoffee Lake、第8世代コアの最上位となるCore i7-8700Kを採用。6コアへと強化されたCPUで、基本の動作クロックこそ3.7GHzと低めだが、ターボブースト時の最大クロックは4.7GHzへと引き上げられているのが特徴だ。オーバークロックでどこまで性能が伸ばせるか楽しみなCPUとなっている。
このCPUが登場したからこそ、今回の大型ラジエーター水冷クーラーPCが欲しいという動機になっているだけに、このCPUを外してしまっては意味がなくなってしまう。そのくらい、このPCの中でキーとなるパーツだ。
もうひとつ見逃せないのが、グラボにGeForce GTX 1070Ti(以下、1070Ti)を採用していること。こちら、グレードとしては同1070と同1080(以下、それぞれ1070、1080)の間にくるもので、目新しさはほとんどないものなのだが、実は、その性能は1080にかなり近い。ちょっとオーバークロックすれば1080を超えてしまうという、自作PCファンでなくとも気になるパーツとなっている。このあたりの検証は、加藤勝明氏の記事に詳しいのでそちらを参考にしてほしい。
このお買い得感すらある1070Tiだが、これを水冷化して搭載しているというのがサイコムらしいところ。さすがにラジエーターのサイズは120mmとなっているものの、ボード上のファンだけの冷却では轟音となりかねないグラボだけに、静音化の効果はかなりのものだ。ちなみにこの水冷クーラーは従来の水冷PCで採用されているものと同じで、GeForce GTX 1080Tiなどでも実績のある確かなもの。冷却不足で性能が発揮できない、などというオチはないので安心して欲しい。
これが今回のキモとなる360mmラジエーターの水冷クーラーだ!
今回、360mmラジエーターのCPUクーラーとして搭載したのは、Fractal Designの「Celsius S36」。派手なライトアップ機能などはないが、ファンハブが搭載されており、3つのファンから別々にケーブルを伸ばすことなくすっきりと配線できるのが特徴だ。これにより、ケース内がケーブルでごちゃごちゃせず取り付けやすくなっている。また、水冷ヘッドは薄型でシンプルなデザインを採用。更にチューブが真上に伸びているので、周囲のメモリーやヒートシンクなどと干渉しないというメリットがある。
なお、360mmのラジエーターを装着できるのは天板、もしくはフロントの2か所だが、今回はフロントへの装着となっている。これは、冷たい外気で直接冷却できるというのと、リアに装着しているグラボ用の水冷クーラーと干渉しないためだ。天板への装着では微妙にぶつかってしまうだけでなく、チューブの取り回しも少し厳しくなってしまうという理由もある。
ケースフロントへの装着となるため内蔵の5インチベイは完全に撤去してしまったが、ストレージはケースの裏側、内部からは見えない部分に搭載できるので、困ることはないだろう。
ケースファン2つを天板に装備して排気を強化
ケース内のエアフローを水冷クーラーのファンだけに頼ると、吸気がCPUクーラーの3つ、排気がグラボクーラーの1つと非常にバランスが悪い。そこで、排気用に2つのケースファンを天板に装備している。熱がこもりやすいのはケース内の上部だけに、ここからしっかりと排気、排熱できればケース内に熱がこもることはほぼないだろう。CPUからの熱がすべてケース内へと放出されるレイアウトだけに、この排気方向のケースファンは重要な役割となっている。
ちなみにこの天板には、専用のメッシュフィルターが付属している。多少空気の流れが阻害されてしまうものの、ケース内へのホコリ侵入をしっかりとガードしてくれる、頼もしいパーツだ。ちなみに元のケースの格子は結構大き目となっているため、小さなネジなどが転がり込んでしまう危険もある。ホコリ以外の遺物侵入もしっかりガードしてくれるだけに、可能な限りメッシュフィルターは装着しておきたい。
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