GTX1070Ti とGTX 1080をベンチマークで徹底比較
OCでゲームによってはGTX 1080超え 注目ビデオカード「Palit 1070Ti」レビュー
GTX 1080や直接の下位モデルと比較
オーバークロックでは2GHz超えを実現
さて、テスト環境だが、今回は比較対象に「GTX 1080 Founders Edition」(以下GTX 1080 FE)と直接の下位モデルである「GTX1070 SUPER JetStream 8G GDDR5 256bit DVI 3-DP HDMI」(以下GTX1070 SUPER JetStream)を用意。
つまり、GTX1070Ti JetStreamが下位モデルとのパフォーマンス差を確認しつつ、GTX 1080にどこまで迫れるかを見ようというわけである。
詳しいテスト環境は表を参照していただきたいが、今回はさらにGTX1070Ti JetStreamのオーバークロックにも挑戦してみた。
オーバークロックの手法は、Thunder Masterからベースクロックなどを変更するというもので、結論から言うとPower Limitを上限となる120%にした状態で、GPUコアの電圧を30%増やす必要があったものの、ベースクロックは+210MHzの1817MHz、メモリークロックは+120MHzの8240MHz相当で動作した。
ちなみに、「3DMark」実行中のGPUコアのクロックをThunder Masterで追ってみたところ、オーバークロックを行なった状態では2088MHzまで上昇していることを確認した。
定格状態では1898MHzだったので、オーバークロックでGPUコアのクロックが実に190MHzも伸びたということになる。
「Time Spy」においてGTX 1080に迫るパフォーマンスを発揮
さて、以下文中とグラフ中に限りGTX1070Ti JetStreamを「Palit GTX 1070 Ti」、GTX1070 SUPER JetStreamを「Palit GTX 1070」、GTX1070Ti JetStreamをオーバークロックした状態を「Palit GTX 1070 Ti OC」とそれぞれ表記することをお断りしつつ、3DMarkの総合スコアを見てみよう。
3DMarkのベンチ結果
まず、「Fire Strike」ではPalit GTX 1070 TiはPalit GTX 1070から5~6%スコアが上昇しているものの、GTX 1080 FEとの差は7%ほどあり、上位モデルには届いていない。
Palit GTX 1070 Tiのパフォーマンスは、GTX 1080 FEとPalit GTX 1070のちょうど中間といったところだ。Palit GTX 1070 Ti OCはGTX 1080 FEと勝ったり負けたりのいい勝負を演じており、ほぼ横並びと言っていい結果だ。
一方、DirectX 12のテストとなる「Time Spy」ではPalit GTX 1070 TiがGTX 1080 FEに3~4%まで差を詰めているほか、Palit GTX 1070 Ti OCにいたってはGTX 1080 FEに対して逆転を果たした。
DirectX 12において、Palit GTX 1070 TiがGTX 1080 FEに迫るパフォーマンスを発揮している点は、評価すべきポイントだろう。
次にシステム起動後30分間実行した時点ではアイドル時、3DMark実行時において最も消費電力が高くなった時点を高負荷時として、それぞれの時点におけるシステム全体の消費電力を比較してみよう。
まず、アイドル時はオーバークロックでGPUの電圧を高めているため、Palit GTX 1070 Ti OCが若干高い以外は、ほぼ横並びだ。
一方の高負荷時では、Palit GTX 1070 TiはPalit GTX 1070から20Wほど増え、GTX 1080 FEに次ぐ結果となった。Palit GTX 1070 Ti OCについては、GTX 1080比でも8W高くなっており、オーバークロックの代償は少なくないといったところだ。
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