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8Kが確実に普及するのはテレビよりPCディスプレー デルがセミナー実施

2017年12月06日 15時30分更新

8Kテレビは不透明だが8Kディスプレーは定着する

「モニターが高解像度化して困ることはない」と語る西川善司氏

「モニターが高解像度化して困ることはない」と語る西川善司氏

 もう1名のゲストスピーカーはテクニカルジャーナリストの西川善司氏。

 西川氏は今年を8K元年と位置付け、テレビについては2024年ぐらいを目途に定着するか廃れるかの結果が出ると予測。

 その論拠として、歴史的に技術が実用化されてから5~7年で廃れるか、定着するかが決まってきたと指摘した。たとえば2004年にテレビとして初めて製品化されたフルHDは、2012年には携帯電話で実用化されるほど認知された。

 その一方、2010年に製品化された3Dテレビは、2017年では対応テレビがゼロ(ホームプロジェクターで一部搭載)となり、7年で廃れたことを挙げた。

 8K放送については2018年12月から実用化されるが、8Kで放送するのはNHKのみで、さらに既存のアンテナやブースターなどの受信装置の刷新も必要なため、普及するかどうかは不透明とした。

 しかし、映像パネルとしての8Kは製造メーカーが高精細化に前向きで、ニーズもあるので当たり前のものになるだろうと予想。すでに1000ppiオーバーの高精細パネルは量産レベルに達しているという。

デザイン分野での8Kはニーズがあると分析

デザイン分野での8Kはニーズがあると分析

医療分野や天体などの科学技術分野でも活躍する

医療分野や天体などの科学技術分野でも活躍する

YouTubeなどのエンターテインメント分野でも有用

すでに8KコンテンツがあるYouTubeや、ゲームなどのエンターテインメント分野でも有用

PCディスプレーとしての8Kは期待度が高い

PCディスプレーとしての8Kは期待度が高い

 どんな用途で使われるかについては、デジタルサイネージやCAD、絵画などのデジタルアーカイブといったデザイン分野や、内視鏡手術や3D銀河地図といった医療・科学技術分野、そして高解像度化していくのが当たり前だと思われているPCディスプレー分野などが本命として挙げられた。

3D表示の銀河地図も、1つ1つの星がきめ細かく確認できる

3D表示の銀河地図も、1つ1つの星がきめ細かく確認できる

 さらに、次世代の通信システムである「5G」と8Kも関係が深いと指摘。10Gbpsという転送速度もさることながら、遅延時間が1ms台というのが大きく、たとえばVRではユーザーの向いている方向の情報を送信して、その結果を受信するまでの時間が短くて済むため、8K VRで有用なのではないかとした。

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