「Klipsh R5 Neckband」を試用した。ネックバンド型Bluetoothイヤフォンの最新モデル。ネックバンド部分には本革にステッチをあしらった上質感のあるものとなっている。従来機種の「X12 Neckband」や「R6 Neckband」と比べ、柔軟かつスリムでライトな装着感が得られるという。
豊富な選択肢が用意されているBluetoothイヤフォン。
市場には、かなりの種類が流通していて「主要ブランドで手掛けていないところはない」と思えるほどだ。最も一般的なのは、インイヤータイプのイヤフォンをケーブルでつなげたタイプ。間にバッテリーやリモコン、送受信機などが入ったモジュールを入れている。オーソドックスなスタイルだけあり、大きな不満は感じない。
ただ、首の付近にぶらぶらとケーブルが若干邪魔に感じるし、耳の部分で全体の重量を支える形になる。機種によっては、バッテリーやコントローラー部分が少し重く感じてしまう場合がある。重量バランスを考え、敢えてリモコン部とバッテリー部を分離した機種も存在する。
そこで注目したいのが、R5 Neckbandのように、ここ1~2年で選択肢が増えてきたネックバンドタイプのBluetoothイヤフォンだ。
一見すると大きく感じるが、重量は首回りで支えるため、安定感がある。また、全体の重量は増すのだが、イヤフォン部分がネックバンド部分から、飛び出す感じになるので、重さはほとんど感じない。不愉快なタッチノイズの影響を受けない点も利点だ。
軽量で防滴対応、見栄えも優れたネックバンド型
Klipshというと細身の筐体で耳にすっと入るのが特徴だが、本機もイヤフォン部分は非常に小さく重量は36gと軽い。楕円形のイヤーチップを使用しており、しっかりと固定できる角度を少々探る必要があるのだが、ピタリとハマると非常に快適だ。ここも装着感の良さ、そして遮音性の高さに貢献している。
ドライバーはダイナミック型で、直径5mmとかなり小さめ。そのぶん軽量で、再生周波数帯域の面でも10Hz~19kHzと十分だ。ハウジングも小型・軽量だ。IPX4相当の防滴性能を持つ。BluetoothはaptXコーデックに対応。最大8台のマルチペアリング、最大2台のマルチポイント接続に対応する。約1時間の充電で連続8時間の利用が可能だ。
実際に聴いてみると、ふっくらとしたボーカルを中心とした聴きやすいチューニングで、全体にかろやか。割合低域も出ている。装着感の良さもあって、音楽を聴いているうちに付けているのを忘れるほどだ。低域の軽さや解像感など上位機種と比べると、差を感じる面はもちろんあるのだが、1万円台半ば程度で買える機種と考えれば、納得のいく品質と言えそうだ。
iPhone 6sでSpotifyを再生した場合はもう少し解像度が欲しいと思ったが、ウォークマン A45とapt Xで接続すると十分にクリアー。Bluetoothイヤフォンということもあり、ワイドレンジ感は少し譲るが、特に女性ボーカルの帯域が聴きやすく感じる。
バッテリーや電源ボタンのある左側にバイブ機能を搭載しており、着信やペアリング、電源のオンオフに連動して振動する。これには分かりやすさもあるのだが、かなり強く耳に伝わるため、初めて使うとビックリする。ここはオフにできるので、必要に応じて設定したい。リモコン部はよくある3ボタンタイプで、音量調整や着信に対する応答などが可能。中央のボタンを長押しすればSiriが起動する。
ネックバンド型の場合、ボタン位置を確認しながらの操作は難しい。ただしボタンに大きな突起が付いているため、あらかじめ知っていれば、手探りでもボタン操作はしやすくできている。
Bluetoothのヘッドセット機能は、ハンズフリー通話ができて非常に便利なのだが、機種によってはマイクの感度が悪く、通話がしにくい場合がある。しかしR5 Neckbandの場合は、マイクの感度に関しても問題なさそうだ。cVcによるノイズキャンセリング機能が有効に機能しているのか、比較的混雑した駅のホームなどで通話した際も、声がかき消されたり、相手から聞き返されたりすることはなかった。
実売価格はほぼ1万5000円。R5 Neckbandの魅力はやはり質感の高さだ。黒またはブラウンの本革製ネックバンドにステッチをあしらった外観はスーツでも違和感はない。防滴性能や300時間の連続待ち受けといった特徴も持つため、通勤用イヤフォンとしても活躍しそうだ。
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