ドイツ・ハノーバー国際見本市会場で毎年開催される「CEBIT」は、ITソリューションにおける世界最大級の大規模展示会で、全世界から最新のテクノロジーが集結している。
2018年6月11日~15日に開催される「CEBIT 2018」は、開催時期からコンセプトまで、大きくリニューアルされる。こちらの記事で、今後のCEBITの予想をご紹介したように、スタートアップやベンチャー向けのゾーン「d!tec」なども新設され、大いに注目が集まっている。
リニューアル後の「CEBIT 2018」は果たしてどう変わるのか。ASCII STARTUPが2017年8月28日に開催したIoT、ハードウェア関連事業者によるビジネスマッチング展示会「IoT&H/W BIZ DAY 4 by ASCII STARTUP」の会場にて、ドイツメッセ日本代表部を務める日本能率協会産業振興センターの大津晶子氏に、「CEBIT 2018」の注目ポイントを聞いた。
「大きく変わったのは、これまでの展示会型ではなく、デジタル化を前面に打ち出し、複合型のイベントを目指しているということです」。若い層を取り込むことが大きな目的のひとつで、会場も野外ステージを活用したDJブースなどを設置し、まるで音楽フェスティバルのようなイベントも予定されている。
「CEBIT 2018では、4つの柱を掲げています。『d!conomy』『d!tec』『d!talk』『d!campus』です」
2015年から提唱されている「d!conomy」は、デジタルとエコノミーを合わせた造語。デジタルオフィスからセキュリティー、通信、人工知能の活用まで、企業や官公庁のデジタル化ほテーマにした製品やサービスを展示する。
2つめの「d!tec」は、スタートアップ企業を中心としたゾーン。自動運転や医療ロボットのほか、未来の可能性を追求した最新技術がテーマとなっている。
3つめはカンファレンスを行なう「d!talk」。デジタルをテーマに世界各国の専門家がステージに登壇する。
そして「d!campus」は、CEBIT 2018の新たな目玉となる企画のひとつとして、屋外の会場を使い、さまざまなパフォーマンスやイベントが開催される。開催時間を夜11時までと大幅に延長し、参加者同士の気軽なネットワーキングの場としても活用される予定だ。
また、リニューアルにともない、CEBITのロゴや公式サイトなどを一新。入場券の金額も引き下げるなど、より参加しやすい工夫を凝らしている。
日本でもスタートアップに向けて、ピーアールを展開。大津氏はCEBIT 2018の概要を紹介しつつ、「海外展示会への出展は、費用も高額で準備や手間もかかるため、起業したばかりのスタートアップにとっては大変ハードルが高いものです。そこでCEBIT 2018では、起業から5年以内の企業には、『d!tec』内に設けられた『Scale 11』で通常より安い料金で出展ができるプランも用意しています」と話した。
2017年に開催された「CEBIT 2017」では、日本がパートナーカントリーとなったこともあり、118社もの日本企業が出展した。さらに安倍首相がスピーチをしたことで、CEBITの日本での注目度も大いに高まっている。
ドローンレースやハッカソン、音楽ライブといった要素も盛り込んだCEBIT 2018。最新の技術を肌で感じ、かつ自社をアピールする場として、スタートアップからも熱い期待が寄せられている。
また2017年3月開催のCeBIT 2017でのパートナーカントリーを受けて、2018もジャパン・パビリオンの構築とともに日独の企業や政府関係者が登壇し日本と欧州のデジタル化を話し合うカンファレンス「CEBIT Japan Europe Forum (仮)」も開催予定だ。ジャパン・パビリオンでは日本のIoT、ビッグデータ、AI、ロボット等先端技術の世界に向けて発信、2018年1月19日17時まで出展企業を募集している。
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