遠隔ロック機能との組み合わせで、柔軟性も担保
いきなりデータを消去することをためらう人もいるだろう。そんなときは遠隔ロック機能も用意されている。
MDM(Mobile Device Management)にも用意されている遠隔ロック機能だが、基本ログアウトするだけのものが多い。これでは、もしユーザー側のリテラシーが低く、パソコンにパスワードを書いた付箋が貼られている場合などに対応できない。
一方TRUST DELETEでは、Windowsにログオンしていてもログアウトした状態でも、タッチパネルやマウス、キーボードの使用を停止することができる。つまり操作そのものを無効化できるのだ。
この際、ログアウト中でも命令が受信できるように、ネットワークにはつなげたままにする。とりあえずロックする命令を出し、ロックしたことを確認。そのあとにGPSでパソコンの場所を確認し、消去した方がいいかどうかなどを判断した上で、改めて消去命令を出す……といった判断もできる。また先ほど紹介したタイマー機能で、消去ではなくロックを選ぶこともできる。
他社のサービスと共存できる点も強み
この手のソフトはMDMに分類されるが、競合も心配だ。既存のMDMと共存できるのか加藤氏に伺った。
加藤氏「リモートワイプができるサービスは、MDMのカテゴリーでくくられてしまうことが多いのですが、TRUST DELETEはMDMではありません。まずはここを理解していただきたいです。弊社はTRUST DELETEを2006年から開発しており、当時はMDMという言葉もありませんでした。
MDMはデバイスの管理が中心となるため、セキュリティは付加的なものとなります。TRUST DELETEは、それらより確実に消去する、とくにVAIO Proに関してはストレージまるごと消去できるわけで、情報漏えいを防ぐために導入していただくサービスになります。既存のMDMは、OSの機能を利用してロックをかけるため、複数を走らせると競合の心配があります。しかし、弊社は独自の仕組みで実現しており、既存のMDMとも同居ができます。合わせて利用していただいても問題ありません」
つまり利用するアプリなども含めた端末の管理はMDMに任せ、情報漏えい防止のためにTRUST DELETE Biz for VAIOを導入して、セキュリティをより高める合わせ技が有効だ。
オフィスの外に持ち出すパソコンは、情報漏えいに対してリスク管理をしっかりしなければならない。そのためには、LTEモジュールを搭載したパソコンが最適となる。今回の共同開発によりストレージ内全てを消去できるVAIO Proシリーズは、情報漏えいを防ぐベストなパソコンと言える。
なお、導入には、1台1台にソフトをセットアップしていく必要があるが、VAIOのキッティングサービスを利用すれば、納品されてすぐ使える状態にできる。オフィス外へ持ち出すパソコンでセキュリティを高めるなら、VAIO Proシリーズ+ TRUST DELETE Biz for VAIOが鉄板の組み合わせと言えよう。
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