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BOSEの完全ワイヤレスイヤフォンは音質で勝負できる完成度

2017年11月11日 12時00分更新

優秀なBluetooth周りの性能

 左右イヤフォンの機能は非対称で、右イヤフォンに通話用のマイクがあり、単独でヘッドセットとして使えるデザインになっている。ステレオ接続にしても、通話音声や音声ガイドは右側からしか聞こえない。

マイクポートと操作ボタンの付いた右ユニット。通話用のマイクはデュアルマイクシステムで周辺ノイズを抑制する仕組み

 マイクのために開いているポートには、撥水性のあるメッシュ素材が張られているが、やはり水圧がかかると弱い。よって耐水性能はIPX4の防滴まで、ということなのだろう。

 操作ボタンは右がシーソー式の3接点タイプ。前後を押して音量の操作、中央がマルチファンクションボタンで、再生一時停止、着信終話、SiriやGoogleアシスタントの呼び出しに対応する。

 左イヤフォン側にもボタンがあり、これで接続機器の切り替えができる。イヤフォン本体に7台までの接続設定が保存され、このボタンでそれら機器との接続を循環式に切り替えられる。スマホやタブレットなど複数の機器でイヤフォンを共用する場合、これはかなり便利に使える。接続中の機器名も音声で読み上げてくれる。

 Bluetooth周りの性能も優秀で、まずフェージングのような低級な現象とは無縁。左右間のドロップも含めて、音切れも少ない。もちろんゼロではないが、たまにドロップが起きると「ああ、そういえばトゥルーワイヤレスだったっけ」と驚くくらいの頻度でしかない。動画再生時の音ズレもごくわずかで、ミュージックビデオの再生でもストレスを感じない。

 が、もちろんいいところばかりでもない。

操作系と装着性は人を選ぶかも

 気になったのは右の操作ボタンが固いこと。ダブルクリックや長押しなどの操作にけっこう力がいるので、指の力が弱い女性にはつらいかもしれない。ここは実機を触って確認してほしいところ。

 イヤーチップは「StayHear+ Sportチップ」で、BOSEのほかのスポーツモデルにも使われているもの。このイヤーチップは耳に押し込むというより、耳孔の上に押し当てる感じで、スタビライザー付きの割に着脱性はいい。代わりに一般的な密閉カナル型より遮音性は低いので、そこはトレードオフと理解したい。

StayHear+ Sportチップは、イヤーチップとスタビライザー一体成形品で、イヤーチップとスタビライザーはバラバラに交換できない

 もうひとつはフィッティングの自由度にある。このモデルの場合、イヤフォンと耳はイヤーチップ以外で接する部分がなく、かつ長めのノズルでイヤフォンのマスを外側に逃しているので、耳に重りをぶら下げた格好になる。したがってフィッティングはかなり重要だ。

 もとよりスポーツモデルは、靴のサイズやメーカー選びと似たようなシビアさがあると思うのだが、私の場合、このイヤーチップとの相性があまり良くない。付属するSMLの3サイズのうち、Mは外れにくいが、若干痛みを感じる。さりとてSではややルーズで、動くと外れやすい。

 音楽を聴くだけならSで十分なのだが、もし私がスポーツモデルとしてイヤフォンを選ぶなら、このモデルはいったん保留にして、ほかのメーカーも試してみたいところ。

 その際に悩ましいのが、やはり音だ。このモデルの良さは、スポーツモデルとしての機能性と同時に、今までのBOSEサウンドをしっかり踏襲しているところにある。

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