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セバスチャンと呼ばせて:

スマートスピーカー最大の弱点はOKとかHeyである

2017年11月08日 17時00分更新

 Apple HomePod、Google Home、Amazon Echo、LINE Clova WAVE、スマートスピーカーが出そろい、クリスマスに向けて盛り上がりを見せている。

 アマゾンはAmazon Echoユーザー限定で月額380円の音楽聴き放題サービスをはじめるなど思いきったサービスを打ち出してきた(Amazon Music Unlimitedは月額980円だがEchoユーザーなら月額380円になる)。家でただ音楽を聴きたいだけならスマートスピーカーが1本あればいいという状況になりつつある。

 スマートスピーカーを試しに買ってみるかと思う中、音質も気になるが、個人的に最も引っかかっているのはAIを呼び出す恥ずかしさだ。

 たとえ家の中にいるときであろうと、声に出して「Hey Siri」「OK Google」「Alexa」「Clova」と言うのは無理がないか。声を出すたびに企業のイメージを植えつけられそうな気さえする。スマートスピーカーは50歳以上の期待が高いという意識調査もあったが、実家に帰って60代後半になる両親が「OK Google」と言っているのを見たらたまらない気持ちになりそうだ。

 実用上も厄介だ。CMで「OK Google」とか「Hey Siri」と聞こえてきたり、会話中に「クローバー」と発音しただけでも反応してしまうのは問題だ。要するに企業が設定した呼び名をそのまま使うのに無理があるのではないか。

 ついてはスピーカーの呼び出しコマンドを変えられるようにしてほしい。

 子供やペットのように名前をつけられるようにしてもらいたい。たとえばセバスチャンと命名すれば「セバスチャン、アシュケナージの幻想即興曲をかけて頂戴」とすばらしく優雅な日常が送れる。あるいは一生と命名すれば「一生くん、今日は寒いかな」など自分だけの一生くんと会話ができる。なんと、さみしくない!

 個人的に最も恥ずかしいフレーズ「OK Google」を言わせるグーグルにダメ元で問い合わせてみたところ、残念ながら現状「OK Google」を任意の音声コマンドに変更する機能はないとのことだった。しかし調べてみると、MotorolaのスマートフォンMoto Zでは、Google Nowの起動フレーズを「OK Google」から変更できたことがわかった。機能的に不可能ではないのである。

 ルンバのようなロボット掃除機でも、アプリからロボットに個体識別名称をつける機能は備わっている。自分専用のパートナーには特別な名前がほしいというのが人情ではないか。わたしが人工知能に求める最大の機能は愛である。ソフトウェアのアップデートでどうにかなるものであれば、ぜひ呼び出しコマンド変更機能をつけてほしい。

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