BlackBerryブランドを好むファン層に加えて
セキュリティソリューションを持つことが同社の強味
――BlackBerry 10からAndroidにOS切り替えのタイミングは遅すぎたのでしょうか?
当時私はまだBlackBerryに入社していなかった(BlackBerryはBlackBerry 10を2013年に発表、2015年に初のAndroid採用端末を発表した)。時期もそうだが、違う方法でやるべきだったかもしれない。
BlackBerry Privはとても高価でハイエンド、プレミアムラインだ。BlackBerryがAndroidにシフトすることを理解してもらうには、Privの800ドルの価格帯は高価すぎたと言われても仕方ない。もう少し低い価格帯でシフトすべきだったし、1機種だけでなく、複数の機種を揃えるべきだったかもしれない
――BlackBerryと同時期に君臨したNokiaも同様にブランド戦略を進め、他社との提携によって端末市場にカムバックしています。
NokiaとBlackBerryの違いとして、我々はブランドだけでなく、セキュリティソフトウェアがあるという点を挙げたい。セキュリティの経験がある社員がおり、市場の位置付けが明確だ。これは単にブランドを提供するのとは異なる。
今年のMWCではNokiaもカムバックしたが、我々がAlcatelの一部で構えた展示エリアは「BlackBerry KEYone」を見ようと毎日人がいた。展示会場には似たようなAndroidスマートフォンばかりだったが、BlackBerryブランドのスマートフォンに価値があることを示していたと言える。
――BlackBerry、Nokiaがハードウェア事業を手放す中、GoogleはHTCを通じてハードウェアをよりコントロールすることを狙っています。
(Googleの動きは)興味深い動きだと思う。Googleの戦略的計画を知らないが、我々はハードウェア事業からの脱却とライセンスモデルは正しい方向性だと信じている。BlackBerryブランドの端末が市場にあるが、我々は在庫を持たず、管理もしなくて良い。製造に関わる複雑さがない状況をとても喜んでいる。
将来はわからないが、現時点ではハードウェア事業が終わることにとても満足している。我々は端末企業だったが失敗した。市場の変化に適応するスピードが十分ではなかったからだ。2008~09年にiPhoneがアプリのエコシステムを作り、急成長し始めた時に、迅速に対応できなかった。スマートフォン市場は素晴らしいが、とても残酷でもある。
ハードウェアビジネスはうまくいけば売り上げが得られるが、収益性という点では難しい。BlackBerryの財務状況は堅調で、その理由はソフトウェアに移行しているから。ソフトウェアの利ざやは高い。ハードウェア事業が終わった後、2018年はもっと成長できるだろう。
――日本市場での展開は? (TCLは現在、代理店を通じて日本でも製品を提供している)
TCLの判断になるが、TCLは日本に関心を持っており、何らかの計画があると思う。
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