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中島美嘉からバッティストーにまで必聴盤10選

麻倉推薦:ジャズなのにド演歌な八代亜紀、でも本質は魂

2017年11月04日 12時00分更新

『ライヴ・イン・ロンドン』
Michel Camilo

 ジャズ・ピアニスト、ミシェル・カミロの5年ぶりのソロ・アルバム。2015年6月13日、ロンドンのクイーン・エリザベス・ホールでのライヴ収録。素晴らしく美麗なピアノサウンド。スピーディなアルペジォ、旋律と共に奏される滑らかで複雑なリフの音が、ハイレゾにてその魅力が細大漏らさず収録されている。

 ソロだから100パーセント、カミロの魅力が味わえる。叙情的な弱音から、輪郭をシャープに立てて、大振幅で進行する強音までのダイナミックレンジは広大。それも音的なワイドレンジ感のみならずく、音楽的に、また感覚的な語り口の多さも。複雑な重音の組み合わせでも、細部まで徹底的に解剖するハイレゾの音を聴け!

FLAC:88.2kHz/24bit
Sony Music Labels、e-onkyo music

『夜のつづき』
八代亜紀

 ジャズの中にある演歌性──人の心の本性を露出する---を、実に見事に透徹して表現する八代亜紀のジャズアルバム。その大ぶりなニュアンス表現、ヴィブラートのかけ方はまるで、ド演歌。日本の演歌もアメリカのジャズのどちらも魂を深く追求し、たっぷりと歌い上げるのが八代流。

 前回のジャズフルバムも大好評ということだが、それは日本人だから分かるフィーリングだろう。美空ひばりのジャズは、アメリカからの直輸入だったが、八代はまったくもってドメスティックな"演歌ジャズ"に変貌させている。だから面白い。

本アルバムのプロデューサーでもある元ピチカート・ファイヴの小西康陽氏訳の日本語には、この曲ってそうなのかとの発見、多し。You'd Be So Nice To Come Home Toが「帰ってくれたら嬉しいわ」とは確かに名訳だ。

FLAC:96kHz/24bit
EmArcy、e-onkyo music

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