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GeForce GTX 1070 Tiは中身も性能もほぼGTX 1080だった

2017年11月02日 22時00分更新

文● 加藤勝明 編集●北村/ASCII編集部

検証環境は?

 GTX 1070Tiのパワーを知るためには、その上下のGPUと、ライバルとの比較が必要不可欠となる。そこで今回はGTX 1070および1080のFounders Editionと、Vega 56(リファレンスカード)を準備した。

 GTX 1070Tiが既存のGPUに対しどのあたりのポジションにつけるかを見るとともに、GTX 1070TiのFounders EditionとColorful製GTX 1070Tiカードで性能に違いが出るのか否かも見てみたい。

 さらになぜGTX 1070TiのファクトリーOC版が出ないのかという疑問を解消するため、Founders EditionとColorful製のカードをそれぞれOCして検証した(設定は下記)。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-7700K」(4GHz、最大4.5GHz)
マザーボード ASRock Z270 GAMING K6(Intel Z270)
メモリー G.Skill F4-3200C14D-16GTZR×2(DDR4-2666で動作、8GB×4)
ビデオカード GeForce GTX 1070 Ti Founders Edition
colorful「iGame GTX 1070Ti Vulkan X」
GeForce GTX 1080 Founders Edition
GeForce GTX 1070 Founders Edition
Radeon RX Vega56リファレンスカード
ストレージ Intel「SSDPEKKW010T7X1」(NVMe M.2 SSD、1TB)
Crucial「CT1050MX300SSD4/JP」(M.2 SATA SSD、1.05TB、データ用)
電源ユニット Silverstone「SF850F-PT」(850W、80PLUS Platinum)
OS Windows 10 Pro 64bit版(Fall Creators Uptade)
電力計 ラトックシステム「REX-BTWATTCH1」

GTX 1070TiのOCには「Afterburner」を使用した。コア+120MHz、メモリー+300MHzとし、Power Limitは最大に引き上げた。ちなみにFounders EditionのPower Limitは120%までなのに対し、Colorful製のカードのそれは図中の通り134%まで上げることができた

上の設定でOCした際の「GPU-Z」表記はこうなる。ベースクロックは1727MHzなのでGTX 1080 Founders Editionよりも高クロック動作となる

3DMarkではOCしても
1080を超えられない

 それでは定番「3DMark」のスコアー比べから始めよう。テストは“Fire Strike”、“Fire Strike Ultra”そして“Time Spy”の3種類を用いる。

「3DMark」のスコアー

 まず一番下、Vega 56よりもGTX 1070の方が良い結果が出せることが再確認できたが、GTX 1070TiはVega 56を余裕をもって上回り、なおかつGTX 1080よりも下回っていることが確認できた。

 絶妙なスペック調整で中間地点に着地したという表現がピッタリの結果といえる。3DMarkのスコアーだけを見れば、GTX 1070TiをOCしてもGTX 1080はギリギリ超えない感じだが、3DMarkのスコアーだけみて優劣を決めつけるのは早計だ。

 次に消費電力を検証しよう。システム起動10分後の安定値を“アイドル時”、3DMarkの“Time Spy”デモ実行中のピーク値を“高負荷時”とした。

システム全体の消費電力

 定格のデータだけ比較すると、GTX 1070Tiの消費電力はクロックが同一設定であってもカードの設計により大きく変化する。Founders EditionであればGTX 1080よりわずかに省電力(CUDAコア数を考えれば当然の話)程度だが、Colorful製GTX 1070Tiカードは電源回路部分が大幅強化されているためかFounders Editionよりもだいぶ消費電力が増えている。OCすればさらに消費電力が上がることも確認できた。

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