撮影はiPhoneで十分でしょ
さて、今回の観戦場所となるQ2スタンドに座って見たが、思った以上に目の前がひらけていて、130Rからシケイン、最終コーナーを眺められる。また、遠くの2コーナーも望め、逆バンクからテグナー進入までも見られる。このポジションF1観戦するならかなりベスポジではなかろうか。正面にはディスプレーも設置されていて、中継映像も見られる。テレビ観戦と違い、何かあったときに観戦場所付近のできごとは確認できるが、それ以外のところで起きた場合は、音声による放送はあるものの、それでは正直わからない。ディスプレーで中継映像が見られる場所はかなり重要だ。
ただ、今はスマホがあるので、観戦スタイルも変わってきた。F1アプリでタイミングボードを確認できるので、誰が何位を走っているのか、タイム差はどのくらいあるのかがリアルタイムで確認できる。また、DAZNではF1中継の配信も行なっているので、たとえ周りにディスプレーが設置されていない場所でも、映像を確認できる時代になった。実際、F1決勝時にF1アプリで順位とタイム差を確認し、DAZNで中継が見られるかチェックしたところ、画質はあまり期待できないもののキチンと見られた(ただし、バッファがあるので1分近いラグがある)。ドコモ回線の速度は、午前中26Mbps出ていたが、観戦中はWi-Fiと同じ数Mbps程度。観客の多くがこういったアプリを使いつつ観戦していることが伺える。この数Mbpsの状況でも、F1アプリなどは問題なくリアルタイムで見られた。
観戦中、みんな好きな選手のマシンをカメラで撮影していたりするが、今回iPhone 8 Plusでどこまで撮影できるのかも試してきた。iPhone 8 Pusのカメラ性能はかなりよく、今回の写真も一眼とiPhoneの写真を混ぜて掲載している。多分パッと見だと判断つかないだろう。つまり、重い一眼と巨大なレンズを抱えていかなくても、十分な写真は残せるのだ。
iPhone 8 Plusでシケインでの走行したマシンを撮影したサンプルを下記に載せてみた。標準だとさすがにマシンが小さすぎなので2倍で撮影。でもまだ小さいのでデジタルズームで10倍にして撮影したが、さすがに画質が粗くなってしまった。いろいろ試してみたが、大体6倍から7倍ぐらいで撮影するのがバランス的に最適だと結論に達した。撮影するときは流し撮り(被写体を追うようにiPhoneを動かして撮影)しながら連写すると、いい画角に収まったカットが1枚はあるだろう。
また、市販されている10倍レンズも試してみた。付属ケースに装着するタイプで、そこそこ重量はあるが、手持ち撮影も不可能ではない。ピントを合わせて撮影してみたが、解像感はデジタル10倍よりいいものの、ミニチュア写真のような仕上がりになってしまった。これはこれでおもしろいが、マシンを撮影するならデジタル6倍で撮影のほうがよいだろう。
レースはすでにご存知のとおりルイス・ハミルトンが優勝。さまざまなバトルも観られて抜くのが難しい鈴鹿サーキットでも大いに楽しめた。帰りは、中を通っていくとかなりの人だと思ったので、シケインゲートから出て1コーナーゲートの駐輪場へ目指した。ちょっと遠回りかもしれないが、ほとんど混んでないので自分のペースで歩ける。自転車に乗ってからは上り坂でもなんとか苦労せず登れてかなり快適。歩くより断然ラクだし相当時間を短縮できるのでこれは正解だった。もし家族で来ているなら、運転手だけ自転車で駐車場へ行き、クルマをゲート近くへ回して家族みんなを拾うというのもいいだろう。
帰りは、またGoogleマップさまとYahoo!カーナビさまをチェック。すると、Googleさまは渋滞情報が大体正確に反映されていたが、Yahoo!さまは反映されておらず。ただ、バイパスが通行規制になっている情報は表示されていたので、一長一短あるものの、帰りの行程はGoogleさまを頼りにしたほうが良さそうだ。帰りもやはり、国道23号経由で帰ることにした。鈴鹿ICへ向かうと大渋滞だからだ。
結局、刈谷PAに着いたのが1時間20分後ぐらい。朝より30分弱多くかかった計算だが、F1観戦帰りにこれだけの早さで抜けられたのはすばらしい。まぁ、このあと大井松田から渋滞30kmとか表示され、眠くて1時間の仮眠をとったり、駿河湾沼津SAで食事したりとゆっくり帰ったら、自宅に到着したのは22時半近かったのだが……。
来年は30回目の鈴鹿F1開催で
息子を連れて行けるのか?
こうして、23年ぶりのクルマで日帰り鈴鹿F1観戦を満喫した1日が終わった。やはりあのエンジン音は生で聞かないと迫力が味わえない。昔ほどの音圧はなくなったが、それでも脳内に響き渡りアドレナリンが発生する。この音圧と観客との一体感、これが生でしか味わえないメリットだろう。
最近は若者のクルマ離れが叫ばれているが、会場にはF1を昔から知るオヤジ衆だけでなく、家族連れや高校生、大学生なども多く見かけ、女性も意外と多かった。筆者のうしろの席に座っていた高校か大学ぐらいの人たちも、F1アプリを使ってタイムを見つつ観戦していた。かなり詳しそうだったので、普段はテレビ観戦かDAZNで見ているのだろう。こういった子たちが、F1をもっと盛り上げていってほしいし、デジタル世代の人たちの観戦スタイルに合うサービスを拡充していくことで、裾野が広がっていくかもしれない。
来年は鈴鹿でのF1開催30回となる記念すべき年。ファミリーシートの拡充とか、スマホやタブレットといったデジタル機器へのサービスなど、新たな鈴鹿F1日本グランプリの幕開けとして期待したい。来年は息子たちと行けるといいなぁ。
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