イヤホンながらも低音が充実したリッチなサウンド
軽快さも良好な「EPH-W53」
続いては、イヤホンタイプのEPH-W53。ハウジングはやや大きめな印象もあるが、そのぶん持ちやすく、装着がスムーズ。そして装着してしまうとすっぽりと耳に収まってしまい、耳からはみ出すような感じもない。じつに収まりのよい装着感だ。なお、イヤーピースとスタイビライザーは思った以上にフィット感に違いが出るので、購入したらいくつかサイズを変えてよりよく合うものに変更するといい。
EPH-W53
側面のスタビライザー（左からS、M、L）は脱着可能。長さ違いが3種類同梱されている
スタビライザーが耳の後ろの窪みに綺麗にハマっていることがわかる
ネックバンドから延びるケーブルも、斜めにカットされたケーブル装着部の形状のため外に膨らむような感じで垂れ下がるので、思ったほど邪魔にならない。完全独立型ほどではないが、ワイヤレスの軽快さはかなり優秀だ。
音を聴いてみると、音の広がりが豊かでステレオ的な音場感もよく出る。左右の構造を同一としたハウジングの設計の効果だろう。左右の音がきれいに調和してボーカルがセンターに定位する感じが味わえる。意外なことだが、ワイヤレスタイプでこれがしっかり実現できるモデルは案外少ないのだ。
女性ボーカルを聴いてみると、低音は量感豊かでゆったりと落ち着いた音に感じる。中高域の滑らかさや自然な感触は共通したものを感じるが、より重心の下がったリッチな音の傾向だ。そのためか声もふくよかさが増し、優しい声のトーンの変化、強弱の差がよく出てくる。
イヤーピース（左からLL、L、M、S、SS）が5種類も付くのは珍しい
リモコン部にマイクと充電のためのUSB端子が付いている
クラシックのオーケストラ演奏は、音場感が豊かなこともあり、ステージの良い席で豊かな響きとともに演奏を楽しんでいる感覚だ。情報量も出ているので、個々の音の粒立ちもしっかりと味わえる。スケール感も十分に雄大。
ロックなどでは、感触は少しソフトだが、低音が豊かなこともあってパワー感や迫力は十分に伝わる。相性の良さでいうと、アコースティック系の演奏が合うと思うが、ロックやEDM系のパワフルなサウンドもなかなか楽しめる。
音質の良さを重視しただけのことはあり、Bluetoothでも高域の粗さや情報量の薄い感じがないのはさすがのもの。聴き疲れのしない優しい感触と豊かな音場感は、音楽に心地よさと快適さを求める人には大きな魅力と言える。
本体のほか、スタビライザー3種、イヤーピース5種、充電用USBケーブル、収納ケースが同梱
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