※週間リスキーはテクノロジーとサブカルチャーの交差点から「ずっと、やんちゃデジタル」な切り口で情報をお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。初見の方はご注意ください。
SIMロックのかかったスマートフォンは、ほかのキャリアや他国のSIMを入れて使うことができません。
ところが、タイのキャリア・True Moveが販売している格安SIMロックスマートフォンが、日本を含むアジア全土で使えるスマートフォンになるのです。料金は8日間4GBで約1500円。タイに行く人は現地で買ってくるといいかもしれません。
アジアで使えるローミングプリペイドSIMが1500円、日本も対応
ここ数年、海外では他国でもローミングで接続できるプリペイドSIMの種類が増えています。しかも、価格はお安め。たとえば、香港のキャリアは中国でも使えるSIMを各社が出しています。中国ではローミング扱いになるので、VPN不要で海外SNSサービスが利用できます。
一方、タイではAISやTrueがアジアや欧米対応のプリペイドSIMを販売中。たとえばアジアなら日本含む各国で399バーツ、約1330円で8日間、4GBを利用できます。
このうちTrueのTravel SIM ASIAは日本、中国、台湾、香港、マカオ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、カンボジア、カタール、ミャンマーなどに対応。中国でも使えるので、香港のSIM同様に中国でTwitterやFacebookが使えるウハウハなSIMとなります。
また、日本でも利用できるので、海外販売スマートフォンに装着すれば、日本ではローミング利用として使うことが可能。日本でMVNO契約などをしなくても、このSIMでも使い方によっては常用できるかも。8日ごとに使い捨てても1ヵ月約5300円、毎週4GBが利用できるというわけです。
データ通信設定はAPNが「internet」、ユーザー名とパスワードがそれぞれ「true」。端末によっては自動設定されます。まあこのあたりはこの手のSIMを使う人は慣れているでしょう。
ということで、低価格で日本でも使えるこれらのタイのSIMは使い方によってはかなり便利。アジアのどこかの国へ行くだけではなく、台湾→タイ→シンガポール→香港、なんて周遊時も使えるわけですから。
また、海外から日本に来る友人知人がいるときも、日本のキャリアが発行するプリペイドSIMよりおトクなケースもあるわけです。
True販売の格安SIMロックスマホが使える
これらのSIMを使うにはSIMフリースマートフォンが当然必要になります。ところで、タイでは主にTrueが自社ブランドのスマートフォンにSIMロックをかけて、格安で販売しています。
自社SIMしか使えないから安いのは当たり前ですよね。1万円以下で買えるSIMロックスマートフォンを常時数機種出しているので、バンコク旅行ついでに現地用に1台買うのもいいでしょう。
ところが、このTrueのSIMロック付きスマートフォンに、TrueのローミングSIMを入れるとどうなるでしょうか。当然のことながらアジア各国でそのまま使えるわけです。いままでSIMロック端末は、現地SIMで現地でしか使えないものでしたが、ローミングSIMが出てきたことで、ほかの国でもそのまま使えてしまうわけです。
筆者はこのTrueのSIMを香港のSIM屋台で購入。日本ではアマゾンで売っている業者もいるようです。端末は以前バンコクへいった時に、おもしろそうな端末と言うことでテンキー付きAndroidを購入していました。
しかし、バンコク旅行が終われば無用の長物で、自宅で眠っていたのです。でも、TrueのローミングSIMを入れたおかげで、香港、韓国、そして日本でも利用できました。
各国でどのキャリアが使えるかはTrueのウェブページに記載されています。たとえば、日本ではドコモの回線が利用可能。これには安心感があるでしょう。
また、中国も中国移動が利用できます。同社のネットワークはTD-LTE/TD-SCDMA/GSM、FD-LTEがないのがやや不便なものの、TD-LTEネットワークはほかのキャリアよりも充実しています。
日本でスピードテストを実行してみたところ、下りは5~10Mbps、上りは3~10Mbps程度で、値段を考えると十分でしょう。
繰り返しになりますが、このSIMは日本のキャリアのSIMではなく、海外キャリアのローミングSIM。それでこの速度が出ています。
ただし、端末側の対応周波数がB1/3/7程度なので、ドコモの周波数はすべて使えるわけではありません。「ドコモの全部の周波数が使えなきゃいやだ」という人は、素直に日本で販売されているスマートフォンを買ってください。
タイで売っている格安端末が日本でそれなりに使える、ここがポイントですからね。それにそもそも、この程度の端末をメイン端末に使う人はいないでしょう。
Trueの店はバンコクならあちこちにありますし、スマートフォンショップの集まる「聖地」ことMBKの携帯フロアーにも店舗があります(クレジットカード支払い可能)。
また、MBK内の各スマートフォンショップには「これはTrueのSIMロックだからほかで使えないよ」という端末が安く売っています。でも、TrueのローミングSIMを使うのならば、そんな端末を買ってしまうのもいいでしょうね。
SIMロック解除せずともアジア各国で使えてしまうTrueの自社ブランドスマートフォン、タイで買ったあとも活用できる便利な1台になるでしょう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります