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電話機なのに「利用者に電話をとらせない」:

パナソニックの電話詐欺防止策が面白い

2017年10月05日 17時15分更新

パーソナルファクス KX-PD615
パナソニック
発売中
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/04/jn170411-2/jn170411-2.html

 実家を出て、1人暮らしをはじめてからは使わなくなった固定電話。でも、実家ではいまだにFAXつきの電話機を使っています。2017年現在、全国の加入件数は5459万件、2014年の5620万件と比べてもほぼ横ばい。家を買ったときから権利をもっているし、携帯電話のように解約するタイミングもなく、なんとなく使っているという家も多いのではないかと思います。

 困るのは詐欺や悪質なセールスなどの迷惑電話です。

 ただでさえ疑り深いうちの親がだまされるわけがないと思っていても、最近の詐欺は狡猾なので、いつ被害に遭うともしれません。いまパナソニック、パイオニア、シャープなどの電話機メーカーは「録音機能をつける」「『迷惑電話にご注意ください』といった注意喚起メッセージを流す」などの対策機能をつけていますが、中でもパナソニックは面白い工夫をしています。

 それは電話機なのに「利用者に電話をとらせない」という機能。

 機能をオンにすると、電話がかかってきたとき、相手に「この通話は迷惑電話防止のため録音されます」という警告メッセージを流します。面白いことに、メッセージを流したときに発信音は鳴りません。メッセージを聞いた相手が「録音されるとまずい」と思って電話を切ってしまえば、利用者は電話がかかってきたことにも気づかないというしくみです。

 若干残念なのは、機能をオンにすると誰彼かまわず警告メッセージを流してしまうこと。ちょっとギョッとしますよね……NTTのナンバー・ディスプレイサービスに加入すれば特定の相手にはメッセージを流さないようにも設定できますが、サービスは有料です。

 やはり有料サービスとなりますが、警察や自治体が収集したデータからつくられた迷惑電話番号データベースと一致した相手から電話がかかってくると、呼出音を鳴らさずに自動で受けないようにできるというサービスもあります。トビラシステムズ社が開発しているもので、有料な上、機能に対応する電話機が限られてしまうのが惜しいところです。

 最近は電話詐欺の手口もどんどん巧妙になり、警察を装ったり、銀行を装ったり、ふつうにリテラシーがあってもだまされる危険性があります。わざわざこちらで対策をしなければいけないというのもシャクですが、まだ実家でむかしの電話機を使いつづけているようなら、こうした対策機能がついた新製品を買ってあげてもいいかなと感じました。


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書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中

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