音質的にもぐっと上級機に近づいた!!
バランス出力にも対応の「NW-ZX300」
同時に発表されたミドルクラスの「NW-ZX300」(実売価格 7万円前後)は、上級機と同じくDSDネイティブ再生(最大11.2MHz)が可能になり、リニアPCMも最大384kHz/32bitまでカバーする。こちらもMQAやAPEといった新フォーマットに対応している。
まずピックアップしたいのは、タッチパネルを保護する前面ガラスに「マットガラス」を採用していること。マット仕上げのボディーと見た目の質感も揃っているし、一般的な光沢ガラスと違って反射が少なく見やすい。うれしいのは、指紋が付きにくく、指の滑りが良好で操作感にも優れることだ。
従来機の「NW-ZX100」との違いでは、3.5mmのアンバランス出力に加えて、4.4mmのバランス出力にも対応したことが大きな注目ポイントだろう。
アンプ出力も、アンバランス接続時は50mW+50mW(16Ω)だが、バランス接続時は200mW+200mW(16Ω)の大出力となる。
アルミブロックを切削加工した素材にアルマイト処理を加えたボディーは、上級機のWM1Z/WM1Aシリーズの思想を継承したもの。筐体の基板の間に金メッキを施した無酸素銅プレートを挟むことでインピーダンスを低減するなど、筐体の作り込みはかなり本格的。
サイズ感や見た目のデザインこそ、ZX100と大きく変わらない印象だが、実際に手に持ってみると、その剛性感や質感などがWM1Z/WM1Aにぐっと近づいていることがわかる。
もちろん、各所への高音質パーツの採用も徹底している。銅メッキを施した高音質抵抗の採用や、アンプ部の音声ラインからヘッドフォン端子まで低抵抗の無酸素銅ケーブルを使うなど、純度の高い再生を追求する。
アンプ部への電力供給ラインでは、WM1Z/WM1Aと同じ容量500mFの電気二重層キャパシタを採用。アンプ部の左右およびプラス/マイナスが独立した4電源部には「高分子コンデンサー(FT CAP)」を使用し、さらに使用するフィルムコンデンサーの構造も改善するなど、パーツから見直して高音質化を徹底している。
このほか、WM1A/WM1Zと同等の実力を持つ「S-Master HX」のICの基板への取り付けにソニー専用の高音質はんだを使っているほか、クロックとして44.1kHz系と48kHz系を独立させ、100MHz対応の低位相ノイズ水晶発振器を搭載。
基板レイアウトをデジタル部とアナログ部を上下で分離するなど、数えだしたらキリがないほど音質にこだわった作りとなっている。
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