パスポートを出すだけではダメな場合も多いそうです
ドイツはプリペイドSIMの販売規制が開始 SIMフリースマホユーザーは注意
2017年09月08日 09時00分更新
4.Lebara(MVNO):購入可能だが注意が必要
ヨーロッパ各国でMVNO事業を展開しているLebara。ドイツでは以前はオンラインで簡単に登録ができました。7月1日以降もオンライン登録が可能ですが、PCやタブレット、スマートフォンのカメラを使ってパスポートをスキャンしてデータを送信する必要があります。
しかし、このオンライン登録で本人認証が出来るのは、ヨーロッパ各国と中国など一部の諸外国のIDカード、パスポートに限られます。日本のパスポートは登録に利用できません。
そのため、街中の個人経営のスーパーやネットカフェ、両替所で買う必要があります。もちろんその場でパスポートの提示が必要になりました。
今回いくつかの両替所を回ってみたところ「すでに登録してあるよ」というプリペイドSIMを販売する店もありました。これは恐らく店の住所や店員のIDを使って登録されたSIMを販売しているのでしょう。
犯罪に巻き込まれる可能性は低いでしょうが、本来は違法でしょう。このようなSIMを売る店に遭遇したら「自分のパスポートで登録してくれ」なんて言うのも言うだけムダ。とっとと別の店を探してほかで買いましょう。
実は今回、大手スーパーでLebaraのプリペイドSIMを買いました。スーパーのレジでは登録してくれないのでオンラインで登録しようとして、日本のパスポートがオンラインNGであることに気が付きました。
そこで、ベルリンの街中で「Lebara/Registration」という案内を掲げているLebara取り扱いの個人商店へSIMを持ち込んだのですが、どの店も「ほかの店で買ったSIMは登録しない」とのこと。
結局、IFA 2017のLebaraのブースで相談したところ「ここで登録できるよ」とのことで、その場でパスポートを見せホテルの住所を伝え登録してもらいました。
また、ブースではSIMを販売していました。来年以降、IFAに行く人は(業界関係者でしょうが……)会期初日にVodafoneかLebaraブースを訪問するのもいいかもしれません。
5.Yourfone(MVNO):プリペイドSIM販売無し
以前も買ったことのあるMVNOのYoufoneの店に立ち寄ったところ、「プリペイドSIMは法令改正後から販売していない」とのこと。この店だけの状況だったかもしれませんが、店頭の案内にはたしかにプリペイドらしい文字は消え、月額料金のみが掲示されていました。
ドイツを訪問するときのSIMの準備はどうするか?
このようにボーダフォンはひとまず買えましたが料金は割高。定価で買える店があればリーズナブルでしょうが、探す時間ももったいないでしょう。
一方、Lebaraもきちんと買える店があればそこで購入するのがベター。ただし、Lebaraは3Gのみで4Gはつかみません。親回線がドイツテレコムなので3Gでも品質はいいものの、留意しておくべきでしょう。
では、ドイツを訪問するとき、現地の通信回線はどうすればいいでしょうか。一番手軽な方法は日本のキャリアのローミングで、キャンペーン中なら1日1000円程度と割安です。数日の滞在ならこれで十分かもしれませんね。とはいえ日本でMVNOメインの人は使えません。
どうしても確実に現地回線が必要な場合は、日本の空港でモバイルルーターをレンタルするのがよさそうです。
ただし、1日の通信制限があるものもあるので、つないでいたスマートフォンのアップデートや写真の自動バックアップで制限容量をあっという間に使い切ってしまった、なんてこともあるので注意しましょう。
モバイルルーターはレンタルだけではなく、個人で買えるグローバル対応タイプも悪くありません。海外渡航が多い人はこの手のものをひとつもっていると、いざってときに便利です。レンタルと異なり空港での受け渡しの手間もありません。
あとは、ドイツでも使える海外のプリペイドSIMを買って現地で使う方法があります。この手のプリペイドSIMには2種類あります。ひとつは世界各国に対応してどこでも自由に使えるというもの。
しかし、料金は1GBあたり1万円程度と若干割高。もうひとつはタイや香港のキャリアが販売するヨーロッパや世界対応プリペイドSIMで、こちらは利用できる国が限られるものの料金はそこそこリーズナブルです。
最近人気なプリペイドSIMは、タイのAISのアジアタイプや世界タイプ。世界タイプはアマゾンなどで4000円前後で販売されており、15日間で4GB利用できます。 この価格だと現地のボーダフォンでプリペイドSIMを買うより割安かもしれません。タイや香港の海外用プリペイドSIMはこれからの「海外渡航スタンダード」になるかもしれません。
なお、ヨーロッパの別の国で買ったプリペイドSIMが、そのままドイツで使えるケースも拡大しました。ヨーロッパではローミング料金の撤廃で、自国の無料データ利用分をそのままドイツで使えるものも増えています。
各国それぞれの料金はキャリアごとにまちまちなのでここでは触れませんが、ドイツ訪問前に他のヨーロッパ諸国を訪問するときは、その地で買ったプリペイドSIMがドイツで使えるかを購入時に確認しておくといいでしょう。
ヨーロッパはテロ事件が増えているため、規制強化はやむを得ない処置でしょう。とはいえ、純粋に現地の通信回線を必要とする外国人向けに、プリペイドSIMがもう少し買いやすくなるといいのですけどね。
この動きはほかの国に広がるのか、他の国はどんな状況になっているのか、ヨーロッパ訪問時に各国で確認してみようと思います。
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