優れているのはスペックだけじゃない!PC本体の使い勝手もグッド
高速なCPUとグラボ、SSD、そして大容量のメモリーと、ゲーミングPCとして申しぶんない性能となる「MASTERPIECE i1620PA1-SP2」。性能だけでなく、使いやすさ、見た目の良さも魅力となっているだけに、本体についても詳しく見ていこう。
PCの性能が高ければ、外観もそれにふさわしいものであって欲しいというのは、誰しも考えること。「MASTERPIECE」シリーズはフラッグシップの系譜となるだけに、この外観にもこだわりのあるモデルだ。
フロントパネルは一般的なプラスチックやアクリル、アルミではなく、熱処理で耐圧強度を高めたダーククロム強化ガラスを採用。アクリルだと細かなキズが付きやすいのだが、ここをガラスとすることでしっかりとしたツヤと質感を表現しているのが美しい。
また、フロントのインターフェース部は赤の縦帯のようになっているのが特徴。赤色の中にUSBなどのインターフェースを配置することで単調さを緩和し、シンプルながらも機能美を感じさせるデザインとなっている。
フロントでもうひとつ注目したいのが、下部に用意されたスロットインのDVDマルチドライブ。大型のタワーケースながらフロントに5インチベイがないという思い切った構造だが、スロットインならデザイン性を損なうことなくDVDマルチドライブを搭載できるわけだ。
光学ドライブは出番が少なくなってきているとはいえ、ドライバーやソフトのインストールで必要となることもあるだけに、最初から搭載されているのはありがたい。
実はフロントにはベイがないだけでなく、吸気口もない。ではPCケースへとどこから空気を取り込んでいるかといえば、その答えは底面にあった。本体を倒すとわかるが、底面の3分の2ほどが吸気口となっているのだ。底面だと空気の流れが悪いように感じてしまうが、PCケースの足が普通の製品より少し高めに設定されており、空気がスムーズに流入できるよう工夫されているのがポイント。
また、底面ということでホコリなどの吸入が気になってしまうが、その点もしっかりと考えられており、専用のフィルターが装着されている。これは横からのスライドで簡単に取り外せるので、掃除も簡単だ。
足が少し高めとはいえ、カーペットに直置きする場合は吸気口を塞いでしまいがちなので注意が必要。フローリングの床なら直置きでも大丈夫だが、それ以外なら、専用の台や棚などに置いたほうが安全だ。
バックは一般的なタワー型PCと同じかと思いきや、実は電源の装着方法がユニーク。一般的な横置きではなく、縦置きになっているのだ。これはPCケースの内部を見るとわかるが、マザーボード側から見た時に電源が隠れて見えないようにするための工夫。
これにより、ケーブルはすべて背面からの配線が可能となり、PCケース内がスッキリするというメリットがある。大型ケースだからこそできる、デザインのこだわりといえるだろう。
広々とした内部は独特なパーツ配置に
続いてPCケースの内部を見てみよう。先程、電源の装着方法がユニークという話をしたが、内部を見ると一目瞭然。本体上部に配置されているというのは一般的だが、側面から見てファンが見えるというのが新しい。この配置のおかげで、ケーブルの露出が必要最低限に抑えられている。
なお、PCケース内外の通気口は全て六角の穴で統一されており、外観だけでなく、内部までデサインにこだわっているのがよくわかる。
独特なのが、ストレージを装着するベイが一般的な金属のボックス状になっているものではなく、マザーボードを装着する金属板と一体化されていること。立体的ではなく、平面的に配置することで、PCケース内の空気の流れを妨げないようにしているのだろう。
また、側面からの見栄えもよくなるため、オプションのガラスパネル(税抜き5800円)を追加して、PCの内部が見えるようにするのもありだ。将来イルミネーションパーツを追加して、ライトアップPC化するというのもおもしろいだろう。
ゲーミング用のPCケースとして採用されていることもあり、グラボの固定にもちょっとした工夫がある。それは、大型のグラボを支えるステーが装着されていることだ。グラボは高速な製品ほど別途電源が必要となるだけでなく、ボードそのものが大型化していく。
その結果、縦置きとなるタワー型PCケースではPCI Expressスロットやグラボそのものに重さによる負担がかかってしまい、振動で抜け落ちてしまったり、スロットが破壊されてしまうといった最悪の状況も考えられるのだ。ブラケットのネジ止めだけでグラボを支えるのは、限界に近いといえるだろう。
これを解決する簡単な方法が、グラボを支えるパーツを追加すること。「MASTERPIECE」シリーズではグラボの台となるステーが標準で装備されているので、スロットへの負担が軽減され、より安全に使えるわけだ。ちょっとした工夫だが、これがあるのとないのとでは、安心感がまったく違ってくる。
ケースの裏面もチェックしてみよう。裏配線となるため内部と比べケーブルが目立つものの、要所にあるケーブル用の穴のおかげで、意外とスッキリとしている。また、3.5インチHDDもSSDと同じように、マザーボードと同じ金属板への固定となっているのが目新しい。
なお、ちょうどCPUの裏面となる部分は金属板に大きく穴が開いているため、クーラー用のバックプレートが装着しやすい。将来CPUクーラーを交換したくなった場合でも、作業しやすいのがうれしいところだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう