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伝統あるIT見本市が完全リニューアルへ CEBIT 2018を予想する

2017年08月18日 07時00分更新

 ドイツ・ハノーバーで2017年3月に開催されたB2B見本市「CeBIT 2017」は、日本がパートナーカントリーとなったことで、国内でも大きく報じられました。

CeBIT 2017開幕 安倍首相も登場し「モノづくり、イノベーションで成長」を宣言(関連記事)

 しかし2018年には、展示会を全面的にリニューアルすることを発表。会期は3月から6月に移動し、ブランディングも一新、展示の構成も大きく変わることが明らかになりました。

ブランドも一新し、「CeBIT」のロゴは「CEBIT」とすべて大文字になった。

 主催者のドイツメッセによれば、従来の展示会を脱却した「デジタルイノベーションの祭典」を目指すとのこと。そこで本記事では、現時点で分かっている情報をもとに、CEBIT 2018がどのようなイベントになるのか予想します。

若者を意識したブランドに全面リニューアル

 新しいCEBIT 2018の印象は、一言でいえば「若返り」です。これまで採用してきた赤バックに白字というデザインは、どちらかというと大企業を意識したお堅いイメージでした。

 しかし今回のリニューアルでは、これまでにないイエロー色やスタートアップ企業が使うようなジオメトリックフォントを採用しており、若年層を意識しています。

これまでの赤と白を基調としたデザインを大胆にリニューアルし、若返りを果たした。

 展示会の中身は4つのパートに分かれています。目玉となるのが、オープンエアを活用した「d!campus」です。ここではバンドやDJによる音楽や屋台のフードを楽しみながら、最新テクノロジーにも触れられる「フェス」のようなイベントが予定されています。

世界最大級の広さを誇るハノーバー国際見本市会場だが、オープンエアのスペースはあまり活用されてこなかった。

 2018年6月11日から15日で、これまでとは約3ヶ月、季節ひとつ分の違いがあります。日本で6月といえばじめじめした梅雨の始まりを連想しますが、ドイツはほどよい気温で過ごしやすく、夜遅くまで日が落ちないベストシーズンといえます。

会場内にはドイツらしくビアホールも営業しているが、3月のドイツはまだ寒い。だが6月なら夜遅くまで楽しめそうだ。

 一方、これまでのCEBITがメインとしてきたB2B見本市としての側面もしっかり残っています。IoTでは末端のデバイスだけでなくインフラやセキュリティも必要不可欠な存在であり、こうした法人向け製品は「d!conomy」エリアとして、2018年も大きな面積を占めるとみられます。

 ほかにも「d!tec」ではAIやIoTを活用したスタートアップの出展が注目されます。業界のキーパーソンによる基調講演などは「d!talk」となっており、これらは既存のCEBITをリニューアルしたものになるでしょう。

オープンエア型イベントの勢いを取り込めるか

 CEBIT 2018も採り入れた「オープンエア」の展示は、世界的な盛り上がりを見せています。米国では映画や音楽の祭典として知られていた「SXSW」にテック系の展示が増えており、ドイツ国内では毎年7月にベルリンで開催される「TOA」も、オープンエアのテックイベントとして台頭してきました。

 その背景として、IoT時代には1社だけで物事を進めることはできず、業種を横断したパートナーシップが重要になっています。最近の日本では「共創」という言葉が多用されていますが、その考え方自体は世界でも共通です。

 これまで展示会の商談といえばブース内の個室で行なわれてきましたが、そうした枠を超えた出会いにも注目が集まっているのではないでしょうか。

 CEBIT 2018では、5日間の会期でさまざまな来場者に対応しようとしています。初日となる月曜日は政府関係者やVIP向け、火曜から木曜は一般の商談向けとしています。一方、金曜日は広く一般ユーザーを対象とし、ハッカソンイベントや学生や若手技術者向けのリクルートイベントなども予定されているとのこと。

政府関係者が多数訪れるのもCEBITの特徴だ。

 このようにCEBIT 2018は、SXSWやTOAのようなオープンエア型テックイベントの要素を採り入れつつ、これまで得意としてきたB2Bの展示を融合させたものになると期待できます。

 CEBITが掲げてきた「デジタル技術によりあらゆる産業が変化する」という世界観の通りに、CEBIT自身も大きな変貌を遂げようとしています。

■関連サイト
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