『The Passion Of Charlie Parker』
ヴァリアス・アーティスト
モダン・ジャズの偉人チャーリー・パーカーへのトリビュート・アルバム。
1曲目「ミート・チャーリー・パーカー(チャンの序曲)」。アメリカのシンガーソングライター、マデリン・ペルーの歌だ。アルト歌唱、サックス、ベース、ピアノ、ドラムスの編成。最新録音だが、細部まで鮮明にクリヤーに描くのではなく、骨太さ、器量の太さ、音の粒の大きさ……などのアナログ的な質感にこだわり、チャーリーパーカーが活躍した50年代風の懐古的な音の雰囲気をリバイバルさせているのがユニークだ。
10曲目「52丁目の王様(チャンの宣言)」。フィラデルフィアのジャズシンガー、メロディ・ガルドーの流暢な語り旋律が、耳に心地よい。これもピラミッド的な音調で、音の粒の大きさが、音のビンテージさをオマージュしている。
FLAC:96kHz/24bit
Impulse! Records、e-onkyo music
セロニアス・モンク生誕100周年を記念したオマージュ・アルバム。目が覚めるような野性的で鮮明な音と音進行だ。ピアノは輝き、ベースはくっきりと切れ込み、ドラムスはヴィヴットに躍動する。ピアノの音の豊かさと美しさは、どんなに速いパッセージでも明確だ。テクニック的にも、猛速であっても一音一音が明確、明快であり、それがハイレゾで明瞭に捉えられ、音楽と録音がハイクオリティで結ばれている。録音的には、どんなに複雑な部分も、竹を割ったような明晰さだ。最近のジャズの録音で、音色的にこれほど美的なピアノ音は他に、ないと言っても過言ではない。
FLAC:96kHz/24bit
Universal Classics & Jazz、e-onkyo music
『J.S. Bach: Solo Works for Marimba』
KUNIKO
マリンバによるバッハ作品集。マリンバという楽器は、ピアノやヴァイオリンに比べると親しみが薄いので、本作品のような誰もが知っている有名曲をソロ編曲して、世に問うのは正解だ。
しかも演奏は世界の加藤訓子だ。冒頭の平均律のハ長調は、子供でも弾く超有名曲だが、マリンバの倍音をたくさん含んだ夢見るようなファンタジックな響きのクオリティに大いに惹かれる。第2曲、無伴奏チェロ組曲の低音の偉容さにも圧倒されると共に、打楽器で弾く弦楽曲という奏法の違いから来る心地良い違和感にも感心する。
録音会場、エトスニア・タルトヤンニ教会の響きが圧倒的に多い。
WAV:96kHz/24bit、FLAC:96kHz/24bit
LINN RECORDS、e-onkyo music
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