2017年7月31日、五反田にあるHR Techベンチャー「freee」のオフィスで、「StarBurst Demo Day#3」が開催された。「StarBurst」(旧名Supernova)はプロトスター株式会社の運営するコミュニティーから新産業創出を行なうスタートアップを生み出すことを目指している。注力領域は、同社がHardTechと定義する、「デジタル・リアルを含む産業構造・技術構造・社会構造的にブレイクスルーを必要とする困難な領域」だ。起業家と支援者をマッチングしてメンタリングイベントを開いたり、クローズドでCXO限定のコミュニティーを運営するほか、今回のように外部向けのピッチイベントも開催している。司会はプロトスターのCCO栗島祐介氏。
今回登壇スタートアップは7社。ピッチの結果発表では、3位はwoemの「befy」が獲得。2位はPOLの「LabBase」で、なんとオーディエンス賞とのダブル受賞。1位はMiddleFieldの「Garage」という結果になった。
以下、それぞれのサービスプレゼンの模様をお届けする。
手軽なコンテンツ直販システム
トップバッターはPulit株式会社のCTOキム・ミンス氏。「Pulit」は独自の電子透かし技術を利用して、理想的なコンテンツ直販システムを実現しようとしているスタートアップだ。
たとえば、これまで動画を楽しむなら、Netflixといったアプリをインストールして、クレジットカードを入力して、コンテンツを視聴するというステップが必要になる。コンテンツホルダーがユーザーにコンテンツを届ける際には、コンテンツプロバイダーを通さなければならず手間がかかるというネックもある。
この煩雑さを解消してくれるのが「Pulit」。アプリインストールやプロバイダーへの入会の必要がないのが特徴だ。コンテンツホルダーは「Pulit」を利用して、コンテンツをURLで配信。ユーザーはそのリンクを開いてSuperDistribution(=SD)画像をデバイスに保存する。その画像に含まれているDirect Access Link(DAL)を開くと、提携アプリのビューワーを通してコンテンツを閲覧できるという仕組み。URLでコンテンツを提供できるので、手軽に拡散できるのがウリだ。キム氏は数百万のインプレッションは保証できると述べた。
三日坊主防止アプリ
続いては「みんチャレ」。エーテンラボ株式会社CEOの長坂剛氏が登壇した。三日坊主防止アプリ「みんチャレ」は、匿名でチャレンジする5人のチームに参加して、グループチャットで証拠写真を送り、お互いに励まし合いながら習慣化させるというもの。自分が成し遂げたいと思うカテゴリーを選び、空きがあるチームに参加すればいい。このアプリを使うことでの習慣化成功率は69%。一般的には習慣化できるのは8%ほどと言われているので、約8倍の効果が出ている。
同社が利用している行動変容技術はピアコーチング。お互いの励まし合いと行動認知をうながすもので、チームの雰囲気を盛り上げるチャットbotも用意し、円滑なコミュニケーションを活性化している。
マネタイズとしては「公式チャレンジ」というサービスを企業向けに販売。習慣化させたいカテゴリーに企業のチャレンジを開設。企業からみんチャレにユーザーを誘導し、みんチャレからも企業に誘導する。企業サービスのユーザー同士がチームを作り、習慣化にトライしてもらうことで、企業は売り上げが上がるのはもちろん、ユーザー同士の会話内容をリサーチできるメリットもある。
女性のスキンケアをサポート
3番目はwoemの「befy」で、登壇はCEOの屋冨祖和弥氏。「befy」は女性のスキンケアをサポートするアプリだ。同社は「LAUNE」という女性向けのメディアを運用しており、その中の企画でユーザーをオフィスに招待し、家で使っている化粧品を持ってきてもらってカウンセリングしたという。化粧品を売らないスタンスでアドバイスをしたが、どうしてもミスマッチしている場合には商品を勧め、結局10人中8人が購入するという結果になったそう。ユーザーは自分に合っている化粧品を知りたいし、欲しいという大きなニーズがあるものの、頼れる存在がほとんどいないという問題がある。
「befy」はそんなユーザーのために、一流のエステティシャンが身近にいるような体験を提供する。肌の状態を入力してもらったり、カメラで撮影して解析したりして、その結果に応じてプロの化粧の仕方を動画で提案してくれる。
化粧品の販売戦略としては、動画で使っている商品を紹介するモデルを取っている。今後は、仮想の百貨店のようなものを作りセレクトした商品を販売していくという。マネタイズは月額課金と化粧品のECとのこと。
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