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34歳の男が家事育児をしながら思うこと。いわゆるパパの教科書には出てこない失敗や感動をできるだけ正直につづる育休コラム。
家電ASCIIの盛田 諒(34)です、おはようございます。水曜の育児コラム「男子育休に入る」の時間です。
コラムは今週で20回目、赤ちゃんが生まれて20週間が経ったことになります。最初の8週間で育休は終えているのですが、みなさんからのご声援に力をいただき連載を続けています。赤ちゃんは生後5ヵ月。首もすわり、寝返りも打ちはじめました。得意そうにゴロンゴロンしています。おむつを替えようとしたときもゴロンゴロンしようとするので緊張感があります。
首がすわったこともあり、抱っこひもに入ってもらうとき、前を向くようにしてみました。赤ちゃんは首をグイグイひねって左右を見て、足をバッタンバッタンさせて「ウキューン!」とはしゃいでいました。情報量の多さに興奮している様子でした。抱っこひもに入る前まではぐずぐずしていても、歩きはじめれば広大なリアルワールドに釘づけになっています。
●抱っこひも複数持ちはポピュラー
つくづく抱っこひもは最強の育児グッズだと思います。
抱っこひもに入ってもらって外を歩いていれば寝るし、家の中なら赤ちゃんを抱っこしたまま家事ができます。なにより腕の筋肉を使わなくても抱っこができます。生後2~3ヵ月からは抱っこが横抱きから縦抱きに変わるため、赤ちゃんのお尻を乗っける前腕(橈側手根屈筋)への負荷が大きくなります。わが家の赤ちゃんは軽いほうで約6kg程度なのですが、それでも腕は悲鳴をあげます。リュックを前に抱えるようにして負荷を分散させられる抱っこひもは文明の利器です。
わが家はガッシリしたベビービョルン、おしゃれでかわいいsun&beachという2つのブランドの抱っこひもを持ち、日によって使い分けています。
なぜ2本も使っているかというと、ベビービョルンがアウトドアグッズのようにゴツく、ふんわりしたワンピースのような妻の服に合わせづらいためです。抱っこひも複数持ちは珍しいことではなく、簡単なもの・ちゃんとしたものを場面に応じて使い分けている人や、成長にあわせて買い足していくという人などもいます。一方で、リングのついた大きな布「スリング」だけで抱っこひもは使っていないという人もいますから、生活スタイルによりけりという感じでしょうか。
最近、ベビーチェア「トリップトラップ」で有名なストッケもビョルンとおなじ機能系の抱っこひもを作っていると知りました。おんぶするとき背側に「×」形のホネを入れるのでラクだそうです。おもしろそうなのでメーカーにお願いしてサンプルを貸してもらい、使っている2種類の抱っこひもと使い比べ、特徴をまとめました。みなさんの購入時の参考になればと思います。なお抱っこひもといえばエルゴベビーが有名ですが、持っていないので比較対象に入っていません。
●男親も女親も使いやすい
ベビービョルン
ベビーキャリアONE+Air
直販価格2万1600円
ベビービョルン
https://www.babybjorn.jp
用途 対面・前向き・おんぶ
月齢 新生児~3歳ごろまで
素材 ポリエステル100%
重量 約1kg
★良いところ
・1本あれば何でもできる
・夫婦間でのサイズ調整が簡単
・ガッシリしていて安定感がある
★悪いところ
・よだれカバーがつけづらい
新生児期から3歳までオプションパーツなしで使い続けられると聞き、最初に買った1本です。エルゴベビーは0ヵ月のとき必要になるパーツ「新生児用インサート」をつけるのが面倒そうなのでやめました。北極しろくま堂のスリングも候補に挙がったのですが、コツがあるのか、うまく装着できず、赤ちゃんも泣いてしまったため落選となりました。残念。
メッシュ地は通気性がよく、水に強いです。梅雨から夏がとくに重宝します。多少雨粒がかかっても大丈夫。汚れてもバシャバシャ洗って干しておけばすぐに乾きます。コットンに比べれば暑さも多少まぎれます。最近のように本当に暑いときは、保冷ジェルを入れておく小袋のような「やわらかシート」というベビーグッズを赤ちゃんの背中にあてるようにしています。
装着方法は独特です。肩・腹・腰の3点をシートベルトのようなバックルでとめるもので、慣れるまで時間がかかりますが、ガッチリ安定するので安心感があります。ビョルンは長らく腰ベルトが弱いと言われつづけてきましたが、最近は改善されたようで腰の負荷も大きくは感じません。ベルトの長さは調整しやすく、妻と夫で抱っこを交代するときも簡単です。
デザインはリュックのようでシンプルな服に合います。アウトドアウェアやフィットネスウェアを普段着にしていると合わせやすそうです。男親にもよく似合い、さっぱりした無地のシャツにベビービョルンを着けた男性はそれだけでかっこよく見えるので得です。ただ女性はふんわりした服に合わせると勘違いした森ガールみたいになってしまい危険です。
惜しいのはよだれカバーがつけづらいこと。赤ちゃんが肩ベルトをよだれまみれにしないようカバーをつけるのですが、カバーが肩ベルトのバックルを覆ってしまうので取りはずしが面倒です。かといって着けないと柔道部のような匂いがしてくるので危険です。そしてサイズがデカいです。丸めて収納できるのは便利なのですが、ベビーカーで出かけるとき持っていくときなどにはかさばります。重さは約1kgあり、おろすときに「ゴシャッ!」と音がするほどです。
ゴツいですが優秀なので、夫婦間で使い回すにはピッタリだと思います。
●コーディネートの幅を広げる
sun&beach
sun&beach yasou
直販価格2万1384円
sun&beach
http://www.sun-beach.jp
用途 対面・おんぶ
月齢 首すわり~3歳ごろまで
素材 コットン100%
重量 約470g
★良いところ
・軽くてカワイイ
・取りはずしが簡単
・ポケットにハンカチ入れられる
★悪いところ
・暑い
2本目に購入。選ばれる理由はかわいいデザインに他なりません。どれも凝っていて、他にない色味ばかりで、選んでいる時間がメチャ楽しいです。中でも「点と線模様製作所」の刺繍が入ったデザインなどはのたうち回って卒倒するほどかわいいです。男親が着けてもギリギリ大丈夫なかわいさですが、人は選ぶかもしれません。よだれカバーやヘッドサポートなど関連製品もデザインと素材感がそろっていてかわいいです。微妙な色合いなので、実物を見て買うのがおすすめです。
素材はオーガニックコットン。肌触りがふんわりして気持ちいいです。ただし夏は暑いです。赤ちゃんの背中側は通気性のいいメッシュ地のインナーサポートがついているのですが、背当ては普通にコットンで暑いです。メッシュ地なら涼しいかというとまったくそんなことはないのですが、熱が逃げないぶん熱はこもりやすいです。春・秋・冬は気持ちいいと思います。
ナチュラル系と見せかけて機能性にも優れています。
軽く、たたむと小さくなるので持ち運びやすいです。背当てにポケットがつき、ガーゼハンカチや保冷ジェルなどを入れられるようになっています。面白いところではポケットにフードがあり、眠った赤ちゃんの頭を支えるほか、日よけ・風よけとしても使えます。背当ては高めで赤ちゃんが首をそらせても大丈夫。ただ最近は周囲が見えないためか泣いてしまうのですが。
装着方法は肩バックルと腰バックルの2点をとめるもので簡単です。エルゴベビーと同じですね。注意点としては、赤ちゃんに入ってもらうときカエルのように足を大きく開く必要があります。首がすわっていても足の長さがある程度ないと使えず、わが家の赤ちゃんも最初は使えませんでした。また、ベルトの長さ調整が案外面倒くさく、妻と抱っこを交代するときケンカになったりもしていました。
万能とはいえないのですが、コーディネートの幅が広がるので、1本あると便利だと思います。
●パーツの組み合わせで長く使える
ストッケ
マイキャリア フロント&バック
直販価格2万2680円
ストッケ
http://www.stokke.com
用途 対面・前向き・おんぶ
月齢 1ヵ月~3歳ごろまで
素材 コットンまたはメッシュ
重量 約1.5kg(3パーツ合計)
★良いところ
・ホネの支えでおんぶがラク
・夫婦間のサイズ調整が簡単
・赤ちゃんが寝たとき置きやすい
★悪いところ
・装着方法が独特で慣れが必要
「抱っこパーツ」「おんぶパーツ」が別々になっていて、共通の「ひもパーツ」に取りつけるというカスタマイズ発想が面白い抱っこひもです。セットを買えば組み合わせを変えて長く使える機能系抱っこひもなのですが、ビョルンのベビーキャリアONE+Airに比べるとやや軽めで持ち運びやすいのが良いところです。
素材はメッシュとコットンを選べます。用途に応じて選ぶといいと思いますがおすすめはやはりメッシュです。寒さはどうにかなりますが、暑さはどうにもならないです。コットンは洗濯による色あせも気になります。
装着方法は独特、慣れるまで時間がかかりました。ひもパーツ「ペアレントハーネス」を装着した後、抱っこパーツ「フロントキャリア」もしくはおんぶパーツ「バックキャリア」を肩・腹・腰の3点でとめるのですが、ワチャワチャ動く赤ちゃんを入れながらバックルをとめていくのがとても難しかったです。サイズ調整はベルトをひっぱったり、ベルトの位置を上下にズラすだけなので簡単です。冒頭写真はサイズ調整前で赤ちゃんの頭が出ちゃってますね……。
良いところは赤ちゃんが抱っこひもの中で寝てしまったとき、抱っこパーツをひもからはずしてそのままふとんに置けるということ。最高です。腰ベルトのバックルが微妙に外しづらいのですが慣れかなあと思います。ビョルンとちがってよだれカバーのつけはずしも簡単です。デザインはシンプルでビョルン系。ビョルンに比べるとゴツさが少ないぶんスマートに見えます。
まだわが家の赤ちゃんはおんぶができないのですが、おんぶパーツにアルミ製のホネを「×」字状に入れるというアイデアが面白いですね。ホネが背中にそってカーブしているので背負いの負担が軽くなります。赤ちゃんが大きくなったとき試したいです。おんぶパーツを固定するためのカラビナが若干とめづらいのが気になりましたが、これも慣れかなあと思います。
長く使える抱っこひもとして、ビョルンなどと使い比べるといいのではないかと思います。取り扱い店舗は少ないですが、日本橋タカシマヤ、横浜タカシマヤの直営店にはあるそうです。
* * *
ベビーカーの記事にも書いたのですが、ベビーグッズは本当に選ぶのがむずかしいです。ほかの赤ちゃんで使いやすくても、自分の赤ちゃんが気に入ってくれるかどうか分からないというところもあります。母親世代からは「シンプルなおんぶひもが一番使いやすい」なんて言われたりもしますね。それでもしっくりくる1本が見つかれば暮らしがたいへんラクになりますので、がんばってあれこれ使い比べて、理想の抱っこ状況をつくれるといいのではないかと思います。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中。
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