週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

プロマスター開発者×Team KUROSHIOのトークイベントで披露

過酷実験でわかったシチズン光発電1000m防水プロマスターの実力

2017年07月26日 12時00分更新

水深1000mの環境に耐える特殊機構とは

 こういった海底への挑戦の難しさを腕時計という面から解説したのが、「プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000m」の商品開発を担当したシチズンの斎藤明洋氏。プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mは、名前のとおり水深1000m、125気圧まで保証した飽和潜水向けの腕時計だ。

飽和潜水は船上で高圧ヘリウムを使いカラダを対応させた上で、水中エレベーターを使って海中にアクセスする

 一般的なダイバーウオッチと違い、飽和潜水ではヘリウムをつかって潜水が行われる。斎藤氏は「防水という面では1000mは難しくなかったが、ヘリウムの侵入を抑えることが今回の大きな課題だった」と解説。これはヘリウムは原子が小さく、微少な隙間や穴でも透過してしまうためだ。

プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mの断面図

 そこで、ヘリウム透過性が低いパッキン素材を採用し、さらにパッキンの二重化やパッキン金属の面精度向上、さらに組み込み作業(手作業)のばらつきの低減といった対策が施されている。

 水中では10m潜るごとに1気圧ずつ上昇するので、プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mが、対応する水深1000mまで潜ると100気圧。1平方cmに100kgの圧力がかかる計算になる。この100気圧がどれくらい過酷か、イベントでは水圧テスト用機材を用意してテストが行われた。

気圧テストの機材。レバーをおろすたびに圧力がかかっていく

目の前でプロマスターに水圧100気圧を!

 テストでは、発泡スチロールの容器とプロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mを、水圧テスト用機材の水槽内にセット。徐々に気圧を上げていくと、発泡スチロールの容器はみるみるうちに小さくなり、100気圧で5分の1程度の大きさまで縮小してしまった。

水深1000m相当の100気圧実験で発泡スチロールのカップはギュッと縮まってしまったが、プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mは壊れること無く動作していた

 一方でプロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mは、テスト中も秒針が動きまったく問題なく動作しているのがわかった。100気圧の圧力のすごさを感じるとともに、プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mの耐久性の高さも実証された。

 Shell Ocean Discovery XPRIZEでは、2000mと4000mの水深でコンペティションが実施されるため、単純計算でも実験の2倍から4倍のプレッシャー。こういった過酷な状況下で、無人ロボットによる探索が行われるわけだ。

プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mに使われている、分厚いサファイア製風防

 さらに斎藤氏は、プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000mのこだわりのポイントをアピール。光発電技術「エコ・ドライブ」により、定期的な電池交換が不要で、文字板部分には充電量表示もあるため、潜水前に充電量を把握することができ、安心して潜水できる。また、風防のサファイアガラスは安全性を増やすため使用想定より約2倍の強度に耐えうる設計で、回転ベゼルには、ロック機構も装備しており、回転ベゼルの誤作動による潜水時間の読み間違いを防ぐことができる。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう