自販機の営業企画ってどんなお仕事?
池田さん「自販機ではお客さまから見える部分を“フェイス”というのですが、マーケティング部で目線の動きなどを考慮した基本となる商品の並びを決め、自販機営業企画部では営業現場と連携して、ロケーションや季節に応じた商品の並び方や、自販機の中にどのような並びで商品を入れるかを決めたりしています」
ナベコ「自販機の中というと、ルートセールスの方が飲料を補充する時に開けると見える、あの部分ですか?」
池田さん「そうです。ナベコさんも補充対決の時に中を見たと思いますが、フェイスの並びと自販機の中の商品の並びは異なるんですよ」
ナベコ「見えない内側の並び方にも戦略があるということですか?」
池田さん「自販機の中で上の段と下の段では補充できる本数が違います。上の段が一番多く本数が入るので、売れる商品は上の段に入れる、などの企画もしています」
ナベコ「補充する箇所によって入れられる本数が変わるんですね」
池田さん「そうです。当部では、ホットとコールドの切り替え時期、季節ごとの飲料投入のタイミング、エリア限定の飲料などもコントロールしています」
ホットとコールドの切り替えは目安となる外気温がある
ナベコ「やることはいろいろあるのですね。以前から気になっていたのですが、ホットとコールドの飲料を切り替えるタイミングはどのように決めているんですか?」
池田さん「目安となる気温・時期を設定し、商品ごとの切り替えタイミングを当部でコントロールしています。最終的にはその地域の需要に合わせてルートセールスが対応しています」
ナベコ「そうなんですね。でも、夏でもオフィスだと寒い時もありますよね」
池田さん「おっしゃる通り、オフィス内など空調が調整されているような場所では、一年中ホットのコーヒーを置いているようなところもあります。ちなみにホットとコールドはいっきに切り替えるのではなく、例えばホットは秋から冬に季節の移り変わりにかけて徐々に増やしています。『おしるこ』の販売がはじまるのは冬が深まった年末年始頃からです」
ナベコ「へ~。意識したことなかったけど、考えてみると季節ごとに手に取りたくなる飲料が並んでいますもんね。知らないうちに戦略にはまっていたかもしれません」
池田さん「ただ、当部だけではなく、どの飲料が売れるというのは販売にあたっているルートセールスの経験や情報があるので、各部署と意見交換する中で戦略を組み立てています」
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