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上位モデルは外付けエクスパンデッドセンサー付き

エプソンの新腕時計ブランドは多針GPSソーラーウオッチ「TRUME」

2017年07月20日 09時00分更新

 セイコーエプソン(以下エプソン)とエプソン販売は7月19日、最先端技術でアナログウオッチを極めることを目指すとして腕時計ブランド「TRUME(トゥルーム)」を発表した。エプソンは前身である大和工業の1942年創業以来、ウオッチの開発から製造までを自社で行っている。

左からセイコーエプソン 専務執行役 ウエアラブル機器事業部長 井上茂樹氏、セイコーエプソン 代表取締役社長 碓井稔氏、エプソン販売 代表取締役社長 佐伯直幸氏

 「セイコー」と名がつくために、エプソンと企画・販売を手がけるセイコーウオッチ(セイコーホールディングス傘下)との関係が混同しやすいが、整理をすると当時の服部時計店(セイコーホールディングスの前身)のウオッチ製造部門が独立、大和工業と合体し、諏訪精工舎となり1969年に世界初のクオーツ式腕時計「クオーツ アストロン」を開発、製造(販売は服部時計店)した。

 1985年に社名をセイコーエプソンと変更した後、2012年には世界初のGPSソーラーウオッチ「セイコー アストロン」を開発、製造し、セイコーウオッチが発売した。取引関係にはあるが、それぞれが独立した経営になる。

TRUMEのファーストモデル

得意のセンシング技術と匠の技術を融合

 会社の歩みからわかるように、工場に端を発しものづくり企業として成長したエプソンならではの時計ブランド、TRUMEのファーストモデルは、独創的な多針GPSソーラーウオッチだ。

エクスパンデッドセンサーは、本体下部の金属部分にストラップやキーホルダーを取り付けることができる

本体裏には取付用のクリップと電池フタがある

 GPSセンサー、気圧・高度センサー、方位センサーをウオッチ本体に内蔵し、上位モデルには外付けの「エクスパンデッドセンサー」で、湿度、紫外線、歩数、消費カロリーを計測し、Bluetooth経由でデータを送ち時計で表示する。ウオッチ本体とエクスパンデッドセンサーを別個体にすることで、装着者の体温に影響を受けずに湿度などを計測できるという。

 アンテナはGPSとBluetoothの2周波を同時に受信する、デュラルアンテナでリング状に成形し文字盤の上に配置。セラミック製ベゼルにも受信アンテナの機能をもたせ、受信感度を飛躍的に高めているという。またリングアンテナにしたことで、光をパネル全面で受けることが可能なため、高い発電効率を実現しているとうたう。

 TRUMEのファーストモデルは、エクスパンデッドセンサーとのデータのやり取りをBluetoothを利用するが、スマートフォンやPCなどとの連携はできない。そのため、計測データの表示はアナログ針を利用する。

計測値をアナログの多針で表示する方法がユニークだ

嗜好を促す高級感のある外装デザイン

 各種センサーからの計測値は、アナログ針を利用するため、デジタル表示に比べて判読性が優れているとはいい難い。多針を用いた複雑な顔をした文字盤は、高級時計にも通じる「嗜好」をくすぐる作りになっている。2時位置のサブダイヤルの外周が100の位、内周が1000の位を指し、10時位置の小秒針はときには10の位や方角、気圧の上下昇を表す。

 この複雑で大量の情報を見やすくまとめているのが、デザイナー、設計者、技術者の力だ。時分針やダイヤル、文字盤、そして外装デザインが凛々しくまとめられている。

エプソンのウエアラブル領域の強み

 スマートウオッチが台頭してきたこの時代に、あえてスマートフォンとの連携を選ばずに、自社の技術資産と最先端のテクノロジー、製造力を活かした独創的な道を切り開くTRUMEは、好みはわかれるが興味深いブランドが誕生したといえる。

 商品構成は、チタンケース×バンドとエクスパンデッドセンサー付きモデルが30万2400円、エクスパンデッドセンサーなしが25万9200円、ともに9月28日発売。チタンケース×レザーバンドでエクスパンデッドセンサー付きモデルが25万9200円、12月発売予定だ。




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