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シャープさん、8K時代はぶっちゃけどうなりますか? 評論家2名が聞いてみた

2017年07月18日 11時00分更新

鳥居 「少し気になる点として、受信機は、8K/4K両対応の仕様が標準になるのでしょうか? 特に8K放送を4Kにダウンコンバートする機能の有無が気になるところです。スカパー!の4Kチューナーは、2Kにダウンコンバートできない仕様ですよね」

高吉 「技術的には8K→4Kダウンコンバートはできるという回答になります。ただし8Kのデコードは非常に難しく、機器も高価になります。一方、4K放送に絞って受信する受信機なら、今すぐにでも商品化ができる目途が立っています。戦略上の話になりますが、すべての受信機に8Kのデコード機能を搭載するかは決まっていません。少し悩ましいところで、両方の機能が本当にいるのかは考えている最中です。8Kを見たい人はこちらの製品、4Kだけでいい人はより安価なこちらの製品にしてくださいと割り切る可能性はあります」

鳥居 「つまり、新4K放送だけが映るテレビが出てくるということですね?」

高吉 「おそらくは、それがメインになるのではないでしょうか」

鳥居 「8Kの受信はできるけれど、パネルは4Kで、ダウンコンバート表示になるテレビというのも考えられますか?」

高吉 「そこが議論すべきところです。逆に期待したいのは、地上波では2Kで放送する番組の一部を、BSでは4Kで放送するといった形にしてもらえないかということです。より高画質であるなら同じ番組でも、BSの視聴環境を用意して4Kで観たいと思ってもらえるのでは」

折原 「ドラマなどは、4K収録する場合も多いと聞いています。同じ内容なら高画質な方を選ぶと思うのが普通でしょう」

高吉 「そういう展開になれば、BSも今以上に広がるし、4Kを見る楽しみが増えると期待しています。地上波でも4Kカメラで撮って、2Kで放送するものが増えているそうです。2本分の制作を請け負う編集スタジオは大変かもしれませんが……」

モデルの産毛も見えるほどの解像感を持つ8K映像

折原 「シャープが8K対応の製品を試作したのは2011年ということでしたが、スーパーハイビジョンへの取り組みはいつごろから始められたのでしょうか? 私は2007年の愛・地球博で、スーパーハイビジョンの取材をした記憶があり、それが一般向けの初披露だったと思います」

高吉 「実はそのころから、スーパーハイビジョンに取り組んでいます。ご指摘の通り、天理にあるシャープの研究開発本部が、開発を始めたのはその前後、2006~7年ごろになります。基礎研究となると1990年代にさかのぼりますが。共同開発が始まったのがそのタイミングですね。製品の形で開発を発表したのは2011年ですが、研究を始めた歴史としては、10年ぐらい前にさかのぼることになります。われわれが先行しているのは基礎研究と、放送への対応、です。試験放送の段階から開発に入っているのは当社だけなので、製品をいち早く出すのはミッションです。

 実用放送が始まると言っても、2018年は、放送の起爆剤になるイベントがすこし乏しいタイミングですから、焦る必要はないという空気があるのかもしれませんが」

鳥居 「そうはいっても、誰よりも早く観たいという人は確実にいるはずです。ぜひ放送に合わせて実機を発表してほしいし、シャープには期待したいですね」

高吉 「はい。ぜひ2018年の紅白は、シャープの8Kテレビで見てほしいと思っています」

折原 「それ以降の普及率はどのように推移すると想定しますか?」

高吉 「総務省の資料の中に『4Kテレビの2020年の世帯普及率予想が52.4%』というのがあります。8Kの普及率はもっと低いはずですが、できるだけは近づきたいと我々は考えています。もう少し早く普及しそうな感覚もあります。4Kテレビを購入する人はすでに増えていて、その人たちにはチューナーを提供します。あとはそのために『アンテナやボックスを買うか』という問題があるのですが……、潜在的な市場としてはあると考えています」

折原 「がんばって8Kテレビを買ってほしいですね」

鳥居 「答えにくいとは思いますが、8Kテレビはいくらぐらいで商品化されるのでしょう。僕としては、いまの80型、70型クラスの4Kテレビと同等の価格ならうれしいのですが……。やはり高価になるのでしょうか?」

高吉 「ここでお約束できない部分ですが、4Kのハイエンド機(例えば有機ELテレビ)の価格に、8Kの価値を載せた価格でやりたいと考えています。しかしユーザーニーズとかけ離れた価格にはしたくないですね。ここはメーカーごとに戦略があり、変わってくる部分だと思いますが、現在のラインアップではハイエンドに4Kがあって、その下に2K機があります。8Kはハイエンドの上に入るラインと考えてます」

下田 「このあたり、鳥居さんの意見もぜひ聞きたいですね」

鳥居 「責任重大ですね。無理しても『これなら買える』と思えるテレビであってほしいですね。例えば200万円を超える価格では8Kプロジェクターが視野に入りますから、100万円台。できればその前半でお願いします!」

高吉 「……がんばります。8Kテレビはやはりみんなに買って、観てもらうことがメーカーの大前提です。がんばらせてもらいます!」

いま8Kを実現できる唯一のメーカー、その実力を知る(鳥居一豊氏)

 4Kでも十分高解像度なのに、本当に8K映像になるとさらに凄い映像になるだろうか? そう思う人は少なくないだろう。私もその一人だった。だが、実際に8K映像を見てみると、やはりその差は圧倒的だった。しかも、100インチを超えるような特大画面ではなく、比較的身近な70V型でさえ、明らかに映像の力強さに差を感じた。肉眼で見るのと変わらないような自然で緻密な情報量と、豊かな立体感は驚異的で、こんな映像でさまざまなコンテンツが見られると思うと、胸が高鳴る。今8Kテレビを実現できる位置に居るのはシャープだけ。今後の展開を期待し、積極的に応援したい。

(提供:シャープ)

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