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無料SIMとアプリで日本観光をサポート!訪日外国人向けサービス「WAmazing」

2017年06月30日 07時00分更新

トレンドの分岐点を押さえて成長
「WAmazing」リリースの背景

 年々訪日外国人の数は増え続け、日本国内におけるインバウンド市場の成長率は15~20%である。一方で2016年、日本の人口は初めて減少に傾いた。加藤氏はこの2つに言及し、「大きな社会的潮流の分岐点だ」と評する。

 じつはWAmazingを創業した背景もここにある。今後日本での人口減少の流れは避けられず、内需だけで経済を支えていくことは困難となり経済的活力の維持には外需(インバウンドによる観光消費も含まれる)を取り込んでいくことが必要になる。

 「私は前職で、じゃらんnetという宿泊予約サイトの立ち上げを2000年に経験した。かつてインターネットというツールの登場によって、社会がフラット化する、企業と個人が平等になるなど、個人の発言権が増していった。そんなとき、そうした動きに逆らわずユーザーの口コミを大切にすることでサービスが成長したという過去の成功体験があった。大きな世の流れ(2000年当時は、個人の発言の重要度が増すという流れ)にリンクしたサービスは成長する。今は、まさに日本に定住している人と同じくらい、訪日外国人観光客も大事なお客さんとして扱う時代に突入している」(加藤氏)

ユーザー数値目標500万人を達成するために

 WAmazingでは利用者のターゲットを、台湾・香港・中国・タイ・韓国を中心とした東アジア、東南アジアからの個人自由旅行者としている。2020年には訪日外国人旅行者が4000万人になる見込みだが、その数に到達するためには昨対比で15%ずつでの増加が必要となる。2016年の2400万人を前年の1974万人と比較すると21%の伸長となっており、成長は順調だ。

 2016年の2400万人のうち、個人旅行者は1294万人。今後はその割合がより増えるため、2020年に訪日外国人数が4000万人に達した場合、個人旅行者は2588万人になるとWAmazingでは試算をしている。特に内訳として大きくなるのは、中国大陸からの個人旅行者だ。

 現在日本政府では、中国人観光客に対しては、所得の高低により団体旅行用と個人旅行用、2種類のビザを発給している。今後、高所得者層の増加が見込まれる中国からは個人旅行者がより増えるというのが加藤氏の予測だ。

 現在、香港、台湾だけでも600万人の訪日外国人客がいるため、WAmazingが今期の目標とする10万人のユーザー獲得については十分なパイであるといえる。しかし、長期的な目標としては中国からの個人旅行者獲得に取り掛かる必要が生じる。「中国戦略に関してはニッチでもいいから日本のコンテンツとしてこのジャンルNo.1、というコンテンツ開拓に重きを入れる」(加藤氏)

 長期的な視野として、WAmazingは2020年の段階で、その年の利用ユーザー数500万人を目標として掲げている。達成のため、今後さまざまな施策を仕掛ける予定だ。

 たとえば現在はiOSにしか対応していないアプリは、今後Android版をリリースする。WAmazingがターゲットとしている台湾、香港ではAndroid端末の方がシェアが高い。台湾は80%、香港では65%が実にAndroidユーザーでスマホ普及率も日本より高い。Android版をリリースすることで対象ユーザーが3倍となる。

 また現在のWAmazingが実施したユーザー対象アンケートによると、「WAmazingを誰かに教えましたか?」という問いに対し、「直接知人に伝えた」という回答が実に77%。ほかにも、「SNSで投稿した」が8%、「ブログに書いた」が3%と、口コミでの拡散が強いサービスであることを裏づけるデータが得られた。訪日回数も2回以上を数えるリピーターが約9割を占め、より旅慣れている個人旅行者が利用している印象だ。

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