LINEのAI「Clova」がお披露目
LINEは6月15日、都内で「LINE CONFERENCE 2017」を開催した。
LINE CONFERENCE 2017はLINEによる事業戦略イベントで、さまざまな新製品や今後の展望について、代表取締役社長 CEOの出澤 剛氏らが話した。
今回のLINE CONFERENCEで今後のLINEの中核事業的に扱われたのは、クラウドAIプラットフォーム「Clova」だ。取締役CSMOの舛田 淳氏は、「2000年代はPC、2010年代はスマートフォンの発展があり、どちらも大きく普及した。ポストスマートフォンとしては、クラウドAIの技術が期待される」と前置きをした上で、同社の開発したクラウドAIプラットフォーム「Clova」を紹介した。
ClovaはアップルのSiriやマイクロソフトの「Cortana」といったパーソナルアシスタントの性質を持ったクラウドAI。メッセージングアプリやSNSソリューション、またそれに関連付けたeコマース事業や音楽関連事業を展開してきた経験を活かし、個人のアカウントに紐付けたかたちで、より消費者それぞれの嗜好を活かせる点が最大の強み。会場で公開されたプロモーションムービーでは、LINEユーザーが日常生活のさまざまなシーンをClovaと共にしている様子などが紹介された。
専用のスピーカー「WAVE」を発売
また、Clovaに対応した製品として、スマートスピーカー「WAVE」を発表。WAVEはLINEのアカウントと連動して音声認識でのメッセージの返信に対応するほか、LINE NEWSと連動してニュースを読み上げたり、カレンダーと連動して予定の管理などにも使用できる製品になるとのこと。
WAVEの中核となるのは、同社の音楽配信サービスである「LINE MUSIC」だ。ユーザーの嗜好やランキングなどを総合的に加味し、ユーザーに楽曲をレコメンドしてくれる昨日などもそなえる。WAVEはそのままスピーカーとして利用でき、ハードウェア的には2.5Wのウーファーとツイーターを2基搭載。音質のよさにもこだわっているという。2017年秋の発売を予定しており、価格は1万6200円になる見込みだ。
新規行政サービス、eコマースサービスも開始
このほか、内閣府と協業して、LINEとオンラインの行政サービス「マイポータル」を連携させることも発表。マイポータルは自治体の情報やサービスをオンラインで検索したり、申請したりできるサービスで、2017年の秋季に本格運用を開始することが予定されている。今回の取り組みでは、公式アカウントの「マイナちゃん」を友だち登録し、受けたいサービスを検索。LINEから選択すると、マイポータルの申請用URLが送信されてくるという仕組みだ。
出前館と協業したデリバリーサービス「LINE デリマ」と、さまざまなショップの入り口となる「LINE ショッピング」の開始も発表。LINE デリマは、LINEのアプリから近隣の飲食店を選択し、食べたいメニューを注文することなどを可能にするほか、配達に対応していない飲食店と、代行配達員を抱える企業とのマッチングなども含む。
LINE ショッピングは、楽天市場やYahoo!ショッピングのようなインターネットモールではなく、「LINEユーザーと店舗との出会いの場を創出する」というコンセプトのサービスだ。注文や決済はそれぞれの店舗や企業のページから行なう必要があるが、LINEショッピングから注文することで、最大で購入価格の20%のLINEポイントを受け取ることが可能。店舗や企業は新たな購買層の開拓に役立てられ、ユーザー側は知らなかったブランドや商品と出会えるだけでなく、ポイントももらえるというメリットがある。
LINEデリマは2017年の秋、LINE ショッピングは6月15日のスタートを予定している。なお、LINE ショッピングの参加ブランド第一弾として、NIKEやPUMAといったスポーツブランド、ユナイテッド・アローズやGAP、GUといったアパレルショップがすでに公表されている。
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