春・夏・秋・冬のテーマごとに各9曲を選曲、合計36曲のアルバムだ。10曲目「ひと夏の経験」。懐かしい名曲のオリジナルバージョン。センターに、ヴォーカルとベース、ストリングスは両チャンネル、左にチェンバロ、右にエレクトリックギターという拡散的な音場陣容だが、音像が安定し、音色も極端な歌謡曲調ではない。ヴォーカルのエコーが多すぎるので、ハイレゾ用にリミックス、リマスターも期待したいが、当時のシングルそのままの音調が、透明感の高いハイレゾで聴けるというのも、嬉しい。
36曲目「いい日旅立ち」は再録。別にダウンロードできるファイルで聴いたオリジナルは冒頭のトランペットが印象的で、リズムの強調され、音そのものもとても古い感じなのだが、新録は編曲がまったく異なり、トランペットはなく、ヴォーカルのエコーも大幅に増えている。旧録はポップだが、新録は日本的な情緒がより前に押し出されている。音質はこちらの方が断然良い。
FLAC:96kHz/24bit
Sony Music Direct(Japan)Inc. e-onkyo music
1980年の武道館公演の楽曲を昨年末に、渋谷オーチャードホールで再演したライブ。 当時のピアニスト、デイヴ・グルーシンをゲストに迎え、36年ぶりに再演したライヴ・アルバム。必ずしも音響特性が万全でないホールなので、ビックバンドのトゥッティ場面では、マッシブ感が先に立ち、細部の描写や切れ味は曖昧だが、ナベサダのサックスプレイは明瞭に、グロッシーな音色感覚が記録されている。意義深い名ライブのドキュメンタリーとして、意義深いアルバムだ。
WAV::96kHz/24bit、FLAC:96kHz/24bit
JVC、e-onkyo music
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります