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秋リリースのiOS 11新機能発表まとめ

2017年06月06日 21時40分更新

 アップルは6月5日(米国時間)に開催した「WWDC 2017」にてiOS 11を発表した。開発者向けのプレビュー版はすでに公開されており、一般向けは秋に配布される予定。

 発表されたiOS 11の機能は以下のとおり。

ディープラーニングでSiriがより自然に話す

 Siriは機械学習と人工知能技術により、イントネーション、ピッチ、強調、速度が調整されてより自然な会話ができるようになるという。また、英語の単語や語句を中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語に翻訳可能となる。

 さらに、Safariで閲覧したトピックや場所をもとにメールやメッセージなどで入力候補として表示するなど、学習機能を使いSafari、News、メール、メッセージなど個人の使い方に基づいた提案をしてくれる。

Apple Musicと連携してオススメの曲も流してくれる

縦向きの撮影・再生にも最適化されたカメラと写真アプリ

 光学式手ぶれ補正、True Toneフラッシュ、HDRでの縦向き写真の撮影ができるようになり、だれでもプロのような写真が撮れるという。

 また、動画はHEVC、画像はHEIFをサポートすることで、iPhone 7/7 Plusで撮影した動画や写真の品質を向上させつつ、容量は小さくして保存できる。

 Live Photosでは機能を2つ追加、ループエフェクトで繰り返し再生するビデオを作ったり、バウンスエフェクトによる長時間露光で時間と動きを捕らえたりできるようになったという。

 また写真アプリ内のメモリーでは、ムービーを縦向きでも横向きでも再生できるように最適化されるほか、ペットや誕生日の写真など、自動的に作成されるメモリーの種類が多くなる。

バウンスエフェクトを使用した写真

Apple Payが友達や家族間の支払いに対応

 Apple Payのユーザーは、友人や家族と個人間決済の支払いと受け取りを簡単に、安全にできるようになる。Walletに登録したクレジット(デビッド)カードを使い、メッセージでの送金やSiriに送金を頼むといったことが可能。

 また、支払いを受けると、新しいApple Pay Cashアカウントに入金される。アカウント内のキャッシュはすぐに利用可能で、送金したり、店舗やアプリケーション内でApple Payを使って買い物をしたり、銀行口座へ振り替えができる。

iPadは新ファイルアプリ登場

 iPadにカスタマイズ可能でどの画面からでも、よく使うアプリケーションや書類にすばやくアクセスできる新しいDockが搭載される。

 また、Appスイッチャーのデザインが一新され、Split ViewとSlide Overを使って開いているアプリケーションを瞬時に切り替え可能となる。

 新しいファイルアプリケーションでは、デバイス上、iCloud Drive、Dropboxなど、どこにファイルを保存していても、すべてのファイルを1つの場所にまとめられる。

 また、システム間でドラッグ&ドロップができ、画像やテキストの移動も簡単にできる。

 加えて、Apple PencilとiPadとの連携がさらに密接になり、インライン描画がサポートされるほか、新しいインスタントメモは、Apple Pencilでロック画面をタップして開ける。

そのほかiOS 11で追加、一新する機能やアプリ

・App Storeのデザインが9年を経て初リニューアル
 アプリケーションやゲームをこれまで以上に検索しやすいように改良。また、デベロッパーとアプリケーションやゲームにまつわるストーリーが表示されるようになる。

 さらに、App Store for iMessageのアプリケーションパネルのデザインも変更し、簡単にアプリケーションやステッカーにアクセスして、メッセージにエフェクトを追加したり、曲を共有したりできるようになる。

・コントロールセンターがカスタマイズ可能に
 コントロールセンターは、よく使うコントロールへ1つのページからアクセス可能となる。また、ロック画面は、通知をまとめて表示できる方法が追加される。

・マップのナビにはレーンガイドも搭載
 マップには、世界中の主要な空港やショッピングセンターの屋内マップのほか、ナビでは曲がり角や出口を見逃さないように車線案内が追加。

 また、運転中であることを認識し自動的に「おやすみモード」へ切り替わる機能もアナウンスされた。「よく使う項目」に登録されている連絡先には、目的地に到着するまで応答できないと伝えるメッセージを自動返信も可能。

・ホームのサポート対象が拡大
 AirPlay 2スピーカーなど、より多くのアクセサリーに対応し、新しいトリガーによって多様な方法でホームオートメーションが実現するという。

 さらにAirPlay 2にマルチルームオーディオ機能が追加され、コントロールセンター、ホームアプリケーション、Siriを使ってスピーカーをコントロールできるようになった。

・友達との音楽共有が強化されるApple Music
 Apple Musicでは、友達をフォローしたり、共有プレイリストを作成したり、友達がよく聴く曲を表示したりできるようになる。

・Siriによる提案やパーソナライズされるNews
 個人の使い方に合わせたトップストーリーやSiriによる提案のほか、新しいSpotlightタブにApple Newsの編集者が選んだ記事が表示される。

 Today Viewにはベストビデオが表示され、最新情報やエンターテインメント情報を確認しやすくなっているという。

・キーボードに片手操作用モード追加
 移動中の入力がさらに簡単になるほか、iPadでは新しいQuickTypeキーボードを採用し、数字や記号、句読点をすばやく表示できるようになる。

Apple Pay Cashは米国で展開

 iOS 11は、iPhone 5s以降、iPad AirおよびiPad Proの各モデル、第5世代のiPad、iPad mini 2以降、第6世代のiPod touchに対して無償で提供される。

 なお、個人ユーザー間の送金およびApple Pay Cashは、iPhone SE、iPhone 6以降、iPad Pro、第5世代のiPad、iPad Air 2、iPad mini 3以降、Apple Watchを対象として米国で提供される予定。こちらもリリースは今秋としている。

ARにも注力したiOS 11の開発者向け新機能

・iPhoneとiPadでAR体験が可能に
 新プラットフォーム「ARKit」では、カメラをとおして現実の風景上にバーチャルコンテンツを重ねて表示し、インタラクティブなゲームや拡張現実を利用したショッピング方法などを開発できるようになるという。

「Pokémon GO」で使用すると、ポケモンが道の上に正確に立っているように表示される

現実ではなにも置いていないデスクに建物が乗っているように見える

・機械学習を搭載したアプリを簡単に開発できるCoreML
 機能学習のための新しいフレームワーク「CoreML」は、iOS向けにデザインされており、すべての処理がローカルで実行されるとのこと。ユーザーのプライバシーを保護しながら、パワフルなパフォーマンスを実現してくれるという。

・趣味で開発を楽しむユーザーにも使いやすくなったHomeKit
 「HomeKit」へのアクセスを簡単にし、デベロッパーや趣味で開発を楽しむユーザーが簡単に着手できるようにした。ソフトウェアによってデバイスを承認する新しい方法を利用し、既存のアクセサリーでHomeKitをサポートできるという。

・Siriを自作アプリに組み込めるSiriKit
 「SiriKit」は、To-Doリスト、メモ、リマインダー、銀行の口座振替、残高照会、QRコードを表示するアプリケーションなど、さらに多くのカテゴリーがサポートされるようになっている。

・Apple Musicの4000万以上の曲にアクセスできる
 「MusicKit」を使うことで、Apple Musicの機能を自作アプリに統合できるようになり、4000万以上の曲、おすすめ、特集コンテンツ、最新の検索結果などにアクセス可能となる。

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