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縦型洗濯乾燥機ZABOONシリーズ新製品

東芝、シャツの黄ばみに自信の洗濯機「1年後の白さが違う」

2017年05月31日 07時00分更新

わたしです。首が長い。指さしているのは洗剤投入口。洗剤を入れると「ウルトラファインバブル」という特殊な泡を使った洗浄液をつくりだす

 東芝がバブルだと話題に。東芝ライフスタイルが30日、縦型洗濯乾燥機・全自動洗濯機「ZABOON」新製品を発表した。微細泡洗浄技術「ウルトラファインバブル」を使い、洗浄効果を通常より約2割高めるというもの。洗濯乾燥機は「AW-10SV6」(洗濯10kg)、「AW-9SV6」(同9kg)2機種。全自動洗濯機は「AW-10SD6」(洗濯10kg)、「AW-9SD6」(同9kg)2機種。

縦型洗濯乾燥機・全自動洗濯機 ZABOON
実売価格
洗濯乾燥機 20万円前後、19万円前後
全自動洗濯機 14万円前後、13万円前後
洗濯乾燥機 7月上旬発売、全自動洗濯機 8月上旬発売
東芝ライフスタイル

https://www.toshiba-lifestyle.co.jp/

 ウルトラファインバブルは直径0.001mm未満の微細な泡。外壁の汚れ落とし、トイレの洗浄などに使われている業務用由来の技術で、同バブルで洗剤を溶かした洗浄液は、通常の水道水で作った洗浄液に比べて約20%洗浄力が高いそうだ。理屈としては洗剤=界面活性剤の表面についている洗浄成分を同バブルがひきはがす=活性化させることで洗浄力を高めているという話らしい。

 洗濯機の洗浄力を上げるには「温水洗い」「つけ置き洗い」などの特殊コースを使う方法もあるが、標準コースでも通常より高い洗浄力を得るのがウルトラファインバブル洗浄の良さという。

 同バブルは政府が売りこもうとしている日本発の技術で、「水揚げした魚を泡の入った水に10分間つければ刺身の賞味期限がのびる」など魔法のような効果があるとされる驚異の御泡様だ。泡の使用権を買ってきて、初めて洗濯機に応用したというのが東芝ライフスタイルの新しさである。ちなみに国の試算では同バブルの将来的な経済効果は10兆円を超えるそうだ。バブリーである。そういえば2000年代前半にナノテクバブルというものがあったなあと懐かしく思い出した。

ウルトラファインバブルは繊維の隙間に入り込める小さな泡

微細すぎるのでレーザーを当てないと見えない

同バブル生成器を洗濯機に搭載、バブル洗剤液を作る

これがウルトラファインバブル水だ!

 同バブルを使った洗浄液を、従来機比2倍の循環水量になった「大流量シャワー」でザッパァーと衣類全体に浸透させ、ダイレクトドライブ(DD)モーターでパルセーター(プロペラ)をグイグイ回して水流を作る「ザブーン水流」で強力な洗浄力を得るというのが洗濯技術の全体像。洗浄液の生成に時間がかかり、洗濯時間は従来機より約2分間だけ延びるそうだ。

従来比2倍の循環水量になった大流量シャワー

パルセーターを回転させるダイレクトドライブ(DD)モーター

 同バブルは繊維の奥まで入り込めるためシャツの皮脂などを落としやすい、微細な泡のため浮力の影響を受けにくく水中で長時間洗浄力を発揮できるといった良さもあるという。「黄ばみの原因となる皮脂汚れの蓄積を防ぐので(シャツの)1年後の白さが違う」と説明員は自信を見せていた。

 発表会場には実際に洗浄してから1年経ったというシャツが展示してあり、水洗いだけの部分がうっすら汚れているのに対し、同バブルの部分は見事に白いままだった。

左側が水洗いで1年経ったもの、右側がウルトラファインバブル水洗いで1年経ったもの

 水温約5℃でも水温15℃のぬるま湯で洗ったときと同じくらいの洗浄効果が得られる効果もあるという。食器の油汚れと同じで、皮脂汚れは水温が低いと落ちづらくなってしまうので、洗浄性能がホンモノなら秋冬の洗濯などに役立ちそうだ。

水洗い(水温約5℃)

ウルトラファインバブル水洗い(同)

 泡の出る洗濯機といえばパナソニックの「泡洗浄W」だが、説明員によればパナソニックの泡は「ミリバブル」程度の大きさで、表面の汚れを落とすにはよいが、同バブルのように繊維の奥までは入りこめないという。同バブルは表面の汚れもしっかり落とす効果があるということで強いようだ。パナソニック側にも言い分がありそうなのでバブル対決でもしてもらいたい。

 東芝ライフスタイルは昨年3月、株式の約8割を中国・美的集団(マイディアグループ)に譲渡して同グループ傘下におさまっている。東芝ブランドはそのまま、開発・製造・販売・アフターサービスは変わらず同社が受けている形だ。Plus Idea Next Technology(PINT)、「技術を尽くして新しいライフスタイルを創造する」をスローガンに掲げ、新生東芝として引き続き日々の事業活動にまい進していきたいと同社の石渡敏郎社長は話していた。2016年下期は黒字だったそうだ。

 東芝本体はいろいろあるが東芝の新製品は面白い。どんなに形が変わっても東芝が東芝らしくある限り、開発者の努力を応援していきたい気持ちがある。


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書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中

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