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教育機関向けのイベントで発表

新登場した教育機関向け「Windows 10 S」は、機能制限版のWindows 10

 Windows 10の最新情報を常にウォッチしている探偵・ヤナギヤが、Windows 10にまつわるギモンに答える本連載。

 基本技から裏技・神技、最新ビルドのInsider Previewの情報まで、ドド~ンと紹介します。

マイクロソフトの教育機関向けイベントでWindows 10 Sが発表された

監視報告
教育機関向け「Windows 10 S」は機能制限版のWindows 10

 マイクロソフトは教育機関向けのイベントで、「Windows 10 S」を発表した。Windows 10の簡易版である「Windows 10 Cloud」が開発中という噂は前からあったのだが、名称がCloudではなく「S」になったようだ。マイクロソフトのWindows担当のエグゼクティブバイスプレジデントであるTerry Myerson氏によると、この「S」の意味は、「Streamlined(合理的なシンプルさ)」「Secure(安全)」「Superior(高性能)」「Soul(Windows 10の魂)」だと言う。

安価で安全な端末を投入して世界の教育機関で使ってもらうことを狙う

 最大の特徴は、Windowsストアのアプリしか使えないこと。ブラウザーはEdgeのみとなり、ストア以外から入手したプログラムはインストールできない。以前、Windows 8の時代に出たWindows RTに似ているのだが、こちらは「Windows 10の魂」を引き継いでいると言うだけあり、WindowsストアからWindows 10 Proへアップグレードできる。ちなみに、ProにアップグレードしたらSに戻すことはできない。

 実は、教育機関向けで使われるPCのOSは半数以上がChrome OS。「Chromebook」(「真似したくなるPC活用術 第197回 手頃で手軽で安くて速い「Chromebook」を活用する技」を参照)という安価でセキュアなPCが普及しているのだ。

マイクロソフトの「Surface Laptop」は999ドルからとちょっと高い

 そこでマイクロソフトは、価格と安全面にフォーカスした「Windows 10 S」で勝負に出たというわけ。ストアアプリ以外をインストールできないので、もちろん安全性は格段に高まっている。管理者のメンテナンスも簡単だ。価格も、Windows 10 S搭載PCが189ドル(約2万円)からと格安に設定されており、まさに大量購入する教育機関にぴったり。

ストアアプリ以外をインストールしようとするとエラーになる

 マイクロソフトのSurfaceシリーズにも、新モデルが発表された。Windows 10 S搭載する「Surface Laptop」はクラムシェルタイプで、Office 365も利用できる。ただし、こちらの価格は999ドルからとお高め。予算たっぷりの機関や家庭で使われるのかも。

 とりあえずは一般ユーザーの選択肢にはならないだろうが、将来子供向けや高齢者向けに安全に使える安価なWindows 10 PCとなることは十分考えられる。Windows RTのようにフェードアウトしないように、ぜひ日本の教育機関に売り込んでもらいたいところだ。


これでズバッと解決!

 教育機関向けに投入された機能制限版のWindows 10。Windowsストアアプリしか利用できず安全で、PCの価格も189ドルからと安い。Windows 10 Proにアップグレードすることも可能。


 Windows 10探偵団は毎週、月・水・日に更新します。お楽しみに!


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