クアルコムは、3月22日に「Snapdragon 835」のベンチマークイベントを中国・北京で開催した。
報道陣には、各種ベンチマークアプリがインストールされたSnapdragon 835搭載の「Qualcomm Reference Design」端末(以下、QRD)が渡され、約2時間の間、自由にベンチマークを取ることが許可された。
Snapdragon 835搭載QRDでテストできたベンチマークアプリは「Antutu Benchmark v6.3.3」「Geekbench v4.0」「3D Mark」「PC Mark」の4本で、それぞれスコアーを測定することができた。
なお、Antutu BenchmarkとGeekbenchに関しては、比較のため1世代前のプレミアム端末向けチップセット「Snapdragon 820」を搭載したドコモ版の「Galaxy S7 edge」でもテストしている。
今回試用したGalaxy S7 edgeは先日のOSアップデートを適用しており、QRDと同じAndroid 7.0に条件を統一してある。
【Antutu Benchmark】
アップルのA10 Fusionおよび現行版を凌駕する
早速、その結果を見ていこう。まずは、Antutu Benchmark。こちらは、18万点オーバーという高いスコアーをたたき出した。アプリ内の比較では、これまで最高得点を記録していた「iPhone 7 Plus」(チップセットはSnapdragonと同じARMベースの「A10 Fusion」)を抜いてトップに。
対するGalaxy S7 edgeは、13万点台前半となり、その差は約1.4倍となった。「3D」「UX」「CPU」「RAM」と、すべての項目でSnapdragon 820を凌駕していることが分かる。
クアルコムは、Snapdragon 820と835の違いを、処理速度で20%、GPUで25%とアピールしているが、少なくともAntutu Benchmarkの結果は、それ以上に開きが出ているようだ。
【Geekbench】
マルチコアでの値に大きな変化が出た
次に、Geekbenchの結果を掲載する。こちらは、シングルコアのスコアーが「2055」、マルチコアのスコアーが「6495」で、いずれも高いスコアーとなっている。
Snapdragon 820を搭載するGalaxy S7 edgeは、シングルコアで「1587」、マルチコアで「3910」となっており、差はマルチコアでの方が出ているようだ。
Snapdragon 835はオクタコア構成で、処理能力を必要とする際には、パフォーマンス重視のクアッドコアを利用する。この動作クロック周波数は2.45GHz。対するSnapdragon 820は2.2GHzのクアッドコア構成で、こうした差がスコアーの違いに表れている。
【3D Mark&PC Mark】
ここでも現行モデルと比べ大幅に向上
また、「3D Mark」の「Sling Shot(ES 3.0)」を使ったベンチマークのスコアーは「4627」、「PC Mark」では「7949」を記録し、いずれもかなりの好成績を上げている。
Snapdragon 820を搭載した端末だと、前者が2000前後、後者が5000前後となっており、現行モデルと比べると大幅に向上していることが分かる。
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