週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

アプリで機能強化できる新世代イヤフォン

赤いiPhoneの相棒候補、パイオニア新イヤフォン「Rayz」を聴く

2017年03月23日 19時00分更新

「RAYZ」の第1弾製品

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズによる新たなヘッドフォンブランド「RAYZ」の第1弾製品となるRayz Plusが近日中に発売される。

 Lightningに直結して、iOS端末に保存してある音源をデジタル出力して再生できるイヤフォンである。また、一般的なイヤフォンと同等のサイズにもかかわらず、ノイズキャンセリング機能を実装している点も大きな特徴となる。詳細な仕様などは発表時の詳報にまとめてあるのでチェックしてほしい。

シックな高級感

 外観からチェックしてみよう。パイオニア製品によく見られる平面と直角を意識したソリッド感のある造形となっており、ハウジングにはスピン加工がほどこされる。

シックで高級感のあるたたずまい

 今回試用する「ブロンズ」は、銅のような柔らかな光沢と、わずかに赤みがかった金属的な色合いで、シックにまとまっているカラーバリエーションだ。実売価格は1万5000円強になる見込みの本機だが、価格に対して質感の満足度は相応と言えるだろう。

 ケーブルはしっとりとしたつや消しの皮膜を採用。太さは標準〜やや太めだが、8本の導線で強度も確保しているという。リケーブルには対応しないので、丁寧に扱いたい。

プラグ部も本体と統一したカラーリングになっている

 Lightningで音楽を出力する場合、問題になるのが充電だ。たとえばiPhoneで利用する場合、iPhoneのLightningポートを出力用にふさいでしまうと、音楽を聴いているあいだは充電ができなくなる。本機は、ケーブルの根元付近に給電用のLightningポートを搭載することで、この問題を解決している。活躍するシーンがどれくらいあるのかはユーザーのスタイルによって大きく変わると思うが、利用時に出そうな不満を先回りして解消している点が素晴らしい。

充電用のLightningポートを設けている

想像以上に音質がいい!

 音質は、ほどよくローとハイが持ち上がった、品のよくまとまりのある音。傾向としては、iPhone付属のイヤフォン「EarPods」からの乗り換えでは、違和感なく馴染めるサウンドだと思う。オーディオメーカーの製品だけあり、EarPodと比較すると、高域の耳に刺さりやすい帯域が出過ぎないようになっていたり、ローが深く沈んだように表現されるなど、確実に「いい音!」と感じられる点がいくつもあるため、EarPodsから乗り換えた場合の満足度は非常に高いと思う。

 あるいは、どちらかというとモニター的な音作りで、iPhoneユーザーにも愛用者の多いソニー「h.ear」シリーズやシュア「SE」シリーズ(こっちは本当にモニターだけど……)と比較すると、意図的にチューニングしてある部分がしっかりと感じられるため、気分やシーンに応じて使い分けるような楽しみ方にも合いそう。

アプリでさらに便利に!

 本機は専用アプリとなる「RAYZ」をiOS端末にインストールし、組み合わせて使うことでさらに便利に使えるようになる。

iPhone 6s Plusに接続したところ

 現時点では、出力する音源のイコライジングやノイズキャンセリング機能の調整、ガイダンスを音声にするか/音にするかの変更、リモコンの「スマートボタン」を押した際に何をするか(電話を立ち上げる、ノイズキャンセリング、マイクのミュートなどから選択)の選択などが可能。さらにイヤフォン自体のファームウェアも更新されていくので、アップデートもアプリから実行する。

初回起動時は最適化が実行される

ソフトウェア側でイコライジングや機能調整ができるのはうれしい

一番下の大きめのボタンが「スマートボタン」だ

 アプリを入れなくても使えるのだが、より深く楽しむためにも、購入したらぜひインストールしてみよう。アプリの価格は無料だ。

iPhoneの相棒になりそうなイヤフォン

 総合すると、徹底してiOS端末と組み合わせた場合の使い勝手を研究して開発された製品という印象があり、機能面、音質面ともにiPhoneと一緒に常に携帯するイヤフォンとして、最適な選択肢のうちのひとつになると感じた。

化粧箱への収め方にもデザイン的なこだわりが強く出ている

 アプリの呼び出しや、ソフトウェアからのイコライジングなど、iPhone付属のEarPodsや、多くのリモコン付きイヤフォンにはない機能も持ち、さらに音質はオーディオメーカーならではの良質なもの。はじめての社外製イヤフォンとしてだけでなく、あらゆるiPhoneユーザーの生活に溶け込めるポテンシャルを持った製品と言えるだろう。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります