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外すだけで一時停止、1万円強でNC内蔵

世界初、第2世代Lightningチップ採用のパイオニア「Rayz」

2017年02月15日 14時08分更新

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズは2月15日、イヤフォン新ブランド“RAYZ”を発表した。iPhoneなどiOSデバイスのLightning端子に直結できる製品で、ノイズキャンセリング機能なども装備。第2世代Lightningオーディオ技術の採用はイヤフォンとしては世界初だという。

 製品は「Rayz Plus」と「Rayz」の2種類で、それぞれ2色のカラバリがある。価格はオープンプライスで、3月下旬の販売開始を予定している。国内での実売価格は不明だが、海外では99ドル/149ドルで販売しており、それに準ずる価格になりそうだ。

 周波数帯域は10Hz~22kHz。直径9.2mmのダイナミック型ドライバーを採用する。入力可能な信号は48kHz/24bitとなり、共通だ。

 発表会に登壇した、宮城謙二代表取締役社長は、ライフスタイルの変化について紹介。1980年前後に音楽を持ち出すというスタイルが登場、現在ではiPhoneをつかってストリーミング再生までできるようになっているとした。iPhone 7で3.5mmジャックがなくなったが、ワイヤレスではなくLightningで実現するための開発を続けてきた。

 肝となるのは、第2世代のLightningオーディオモジュール(LAM2)の採用だ。チップはアップルとアブネラで製造しているが、オンキヨーは過去にアブネラに出資しており、最近両社の合弁会社も設立した。したがってLAM2の仕様策定段階から、意見を積極的に提案できる機会があったようだ。LAM2はデジタル信号をアナログに変換するだけでなく、DSP機能を持っており、従来はチップを外付けする必要があったノイズキャンセル(NC)機能などをワンチップで実現できる。このNCの性能向上や、屋外使用時に周囲の音もある程度聞かせるヒアスル―(HearThru)モードといった複雑な処理も実現可能になった。

 宮城社長は、製品のコンセプトとなる“アプセサリー”(App+Accesory)という造語も紹介した。専用アプリも後日投入していく予定だ。

アプリのGUI

 一方、マーケティング担当の甲斐 拓氏は「妥協しないデザイン、妥協のない消費電力」の2点を開発コンセプトとして紹介した。リモコンに関しても使い勝手を確保できるサイズを決めたうえで中のチップ配置を吟味したという。ノイズキャンセリング用マイクは外側/内側に1個ずつ配置。周囲の状況に合わせて有効なノイズキャンセルカーブを選ぶ「Smart Noise Canceling」機能を持つ。飛行機用などあらかじめ想定したプリセットを利用するよりも、環境にあった効果が得られるという。

 また、内側のマイクは“オートポーズ”と呼ばれる耳からイヤフォンを外すと自動で音楽再生を停止する機能にも使用する(周波数特性の変化から耳の内部、耳の外部を判断する。他社では赤外線センサーなどを利用する例もあるが大型化してしまう。

この小さなリモコンサイズに機能を盛り込んでいる

 消費電力はフルボリュームで5時間再生した際に、EarPodsの3.5mmのアナログ接続では9%減る。iPhone 7付属のEarPodsでLightning接続した場合はさらに増え12%。しかしRayzは6%の消費にとどまるという。さらにRayz Plusは給電用のLightning端子も持つので、iPhoneを充電しながらの音楽再生も楽しめる。

 なお、リモコン部を含めて合計6つのマイクを持つためSiriの認識精度が向上するとのこと。さらにスマートボタンで好きなアプリをワンタッチ起動できる。ケーブルは細いが8本の線が入っているという。

 発表会にはiPhone好き芸人として知られるサバンナ高橋さんも登壇。「iPhoneは出るたび新しい機種に買い替えるようにしているが、iPhone 7は本当に最高。おサイフケータイが使えることは自分にとって一番の魅力で、iPhoneだけで街に出られる。防水にも対応していて、ジップロックに入れていた過去の自分が恥ずかしいぐらい」などとiPhone 7を絶賛した。しかし唯一の問題は「いままで使っていたイヤフォンが使えないこと」で、Rayzはそれを解決してくれるとした。

 Rayzについては、一長一短あるなか、ピタとくるイヤフォンを探すのに悩んでいる人が多い中、使い勝手も音質も完璧。ここ改善してほしいなと思う部分は全部対応しているとコメントした。特に「Lightning端子にイヤフォン差して音楽を聞いたら充電できない問題」に悩まなくていい点を評価していた。新幹線で移動する際、充電の時間なのに音楽も聞きたい。そんな悩みを解決できるとした。

 ステージ上では、ヒアスルーモードも体験。最初はオフの状態で、声を聞こえないのか、周囲の会話とかぶり気味。アナと雪の女王が高音質だと興奮気味にコメント。しかしヒアスル―モードをオンにすると、音楽を聴きながら周囲との会話が可能になる様子を紹介した。

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