今年のMWC 2017も多数のスマホの新製品が登場しました。毎年恒例の「Galaxy S8」の登場はなかったものの、ファーウェイが「HUAWEI P10」を出してくるなどハイエンドスマホの展示も盛り上がっていました。
さて、ハイエンドスマホに搭載するチップセットとして、クアルコムがSnapdragon 835をCES 2017で発表しましたが、同社に対抗するMediaTekもHelio X30をすでに発表済み。MWC 2017ではX30のパフォーマンスをアピールしていました。
ミドルハイ機での採用が予想される「Helio X30」
Helio X30は10nmプロセス、10コアCPUを搭載。構成はCortex-A73 2.8GHz(2コア)、Cortex-A53 2.3GHz(4コア)、Cortex-A53 2GHz(4コア)。A53の比率が高いことからSnapdragon 835よりスペックは落ちるでしょうが、その分アイドリング時などの低速時の消費電力が低く抑えられそうです。
また、デュアルカメラや4K動画の対応など、最近のスマホのカメラ性能アップにしっかり対応しており、ミドルハイクラスの端末向けSoCとして悪くはない性能です。
ブースにはカメラ性能などをアピールするテストモデルがありましたが、フレーム内に固定されており、またデモモードになっているため操作はできず。製品は2017年上半期に出てくる予定ですが、どのメーカーが採用するかはまだ不明です。
触れる実機を求めてARMブースへ突撃!
まだ実製品が無いだけに、実際に触れることはできそうにありません。でも、もしやと思い、ARMのブースを訪問してみました。するとここに、同じテスト機が置いてあるじゃありませんか。
ARMは10nmプロセスCPUの紹介として、Helio X30を展示。実機はMediaTekブースに展示されていたものとは若干異なるようですが、こちらもMediaTekが製造したテスト用のリファレンスモデルとのこと。
ディスプレーサイズは恐らく6型強でWQHD解像度(1440×2560ドット)と思われます。さっそく電源をいれたいと思いきや、まさかの電池切れ。充電ケーブルも無く、残念ながら電源投入は不可でした。
説明員の方も電源に関してはうやむやで、もしかすると「電源を入れるのはNG」とMediaTek側からの指示があったのかもしれません。
背面はテスト機らしく、アンテナ端子がむき出しのほか、カメラモジュールも本体の内部には完全に収まっていません。micro SDカードスロットは外部端子も兼ねているのか、こちらもカバーはありません。
なお、SIMはmicro SIMスロットを2つ搭載。MediaTekのSoCを搭載しているスマホでも、FREETELの「RAIJIN」やcovia製の「g07」のように4G+3GのDSDSに対応しているものも出てきていますから、Heilo X30を搭載する端末も同様のDSDSが使えると予想できます。
MediaTekのSoCは、中堅メーカーが次々に採用しています。しかし、シャオミがリードコア(Leadcore)との合弁で自社製チップへの切り替えを進める予定であることから、最初にHelio X30を乗せるのはメイズ(Meizu)などのシャオミのライバルメーカーかもしれません。Helio X30の高パフォーマンスと低消費電力の実力を、早く試してみたいものです。
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