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出産時に旦那がやりがちな失敗

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34歳の男が家事育児をしながら思うこと。いわゆるパパの教科書には出てこない失敗や感動をできるだけ正直につづる育休コラム。

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 こんにちは、家電ASCIIの盛田 諒、今日で34歳になる男です。2月22日に赤ちゃんが生まれ、3月1日から4月26日まで8週間の育休を取っています。Facebookで育休の現状を配信しています。育休を取るまでは「育児休暇」と言っていたのですが、正しくは育児休業。事実上も完全に間違いでまったく休暇じゃないです。休みなく家事・育児が続く育休の合間、ストレス解消を兼ねて男の育休現場からレポートしていきます。コラム第1回は育休開始前、出産時から入院時の話。結果からすると通常の経膣分娩です。立ち会いを希望していたので、お産のときも奥さんのそばにいられました。「グロいの?」といった話は置いておき、まずは雑誌的にプラグマティックな部分からはじめます。

●出産時に旦那がすること
・水分補給
・腰から会陰を強く押す

 基本的に旦那は奥さん・助産師さんから言われるままに手伝います。陣痛が始まってしばらくすると奥さんはまともに動けなくなるので「水ちょうだい」と言われたときペットボトルの水を補給します。陣痛がはじまると「腰押して」と言われるので腰を強く押します。陣痛は子宮を収縮させて赤ちゃんを押し出す痛み。腰痛に似ていて、腰や会陰(膣と肛門の中間)などを押されるとラクになるそうです。「テニスボールを使う」とよく言いますが、腰を押せれば握りこぶしでも空手チョップでもなんでも大丈夫です。ちなみに痛みのある場所、さする場所は腰から会陰、上から下にだんだん降りていきます。旦那は陣痛を直接感じられるわけではありませんが、さする場所の下降とともに赤ちゃんが降りてきているんだと思うとテンションが上がります。

●出産時に役立ったもの
・ストローつきペットボトルキャップ
・筋肉

 ペットボトルにかぶせて使うストローつきキャップが役立ちます。100円ショップで買ったペットボトルキャップはストローが上に出てこないもので使えず、スーパーで子供用のペットボトルキャップを買いなおしました。よく注意していなかったほうが悪いのですがまぎらわしいです。また、腰や会陰を押すときはコツと筋肉が必要です。「もっと強く!」「そこじゃない!」「何してんの!」と奥さんから言われながら、ぎゅうぎゅう押します。手首が折れるかと思いました。当時の記録に「自分が武井壮だったら文句のないこぶしの当て方ができた」という意味不明な記載があります。知り合いは出産時なぜか奥さんからグーで殴られたそうです。筋肉は鍛えておきましょう。

●入院中に役立ったもの
・ミラーレス一眼カメラ、単焦点レンズM.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
・MacBook 12-inch, Early 2016

 オリンパスのミラーレス一眼カメラ「OM-D」に換算50mm相当の単焦点レンズ(F1.8)をつけて使っていました。病室は赤ちゃんに合わせて薄暗くしていたので明るく撮れるレンズはとても役立ちます。広角側が足りないので記念撮影にはやや苦労しましたが、本体もレンズも軽いので奥さんでも取り回しがしやすく便利です。写真と動画を同時に撮りたい場面もあるので、ミラーレスカメラのストロボ部分にマウントできるウェアラブルカメラがあってもよかったと思います。MacBookは来客時に写真を見せたり、寝る前に好きな音楽を流したりしていました。iPhoneと接続できるBluetoothスピーカーがあってもよかったと思います。MacBookは薄くて軽くて起動が速くて、見た目もいいので便利です。ただ、SDカードを読み出すときにいちいちUSB Type-C変換アダプターが必要な点は本当にイラっとしますね。アップルはなんだってMacBook Air 11インチモデルを捨てたんでしょうね。出産時には産声を録音しておきたいという奥さんの要望もあったので、リニアPCMレコーダーを用意しておいてもよかったと思います。せっかくならフィールドレコーディングにも使える6ch対応の「Roland R-26」などもいいですね。ただ、また別に書きますが実際には「えっいま生まれるんですか」というくらいあっさり生まれてきたのであっても使えませんでした。なお奥さんが役立ったものは「産後はお風呂に入れないから汗ふきシートをよく使いました。パジャマはガバッと開けられる前開きがラクで便利です。めくるタイプは授乳中に隠れるのはいいけど、まだ授乳にも不慣れなので不便です。あとはペットボトルの水をたくさん」。

●入院中にすると便利なこと
・沐浴の手本を録画する
・時間ごとの記録をつける

 沐浴は赤ちゃんのお風呂。生まれたばかりの赤ちゃんはベビーバスという小さな浴槽でお湯をつかいますが、「上から下へ」という順番や「背中を洗うときは利き手でわきをつかんでくるっと回す」などのコツがあります。パパママ学級などでも習うのですが、練習用の人形と実際の赤ちゃんではまったくちがいます。入院中、助産師さんが見せてくれる沐浴の手本を動画に撮っておくと、家で沐浴をするとき便利です。わたしはOM-Dの動画機能を使いました。何度も言いますがF1.8のレンズはめちゃめちゃ明るいので便利です。時間ごとの記録は「陣痛開始から出産まで何分だった?」などの情報を確認できるため助産師さんとのやりとりなどに使えました。奥さんが妊娠してから紙の日記をつけはじめたので書きくわえています。余談ですが、日記はブログにしようかなとも思っていました。しかしブログはあくまでも企業が提供する形のないサービスであり、5年後に残っているかどうかさえわからないと思い、ボロボロになっても手元に残る可能性が高いものとして、紙の日記を選びました。出産前の妊婦検診では毎回スマホで奥さんの状態や助産師さんからのアドバイスをメモしていましたが、それもすべて日記に転記しています。

●出産〜入院時に旦那がやりがちな失敗
・奥さんに「がんばったね」などいたわりの言葉をかけなかった
・「腕が疲れたー」など自分の苦労話をしてしまった
・入院時の来客にデリケートなことを言われても注意できなかった
・家族に写真を見せるとき授乳中の写真も表示してしまった

 女性誌の鉄板「ダメ旦那のNG行動」です。まず「いたわりの言葉」は、「赤ちゃんかわいいね、すごいね、がんばったね」など、いろんな言葉のひとつとして言ったのですがまったく伝わりませんでした。ストレートに「がんばったね、ありがとう!」と言うべきです。こういう台詞はとても言いづらく、タイミングがつかみづらいですが頑張りましょう。あとは「自分が苦労したとか頑張ったとかそういう話ばかりして」とも言われました。実際に腕が痛かったりいろいろあったのですが、旦那の苦労話は控えましょう。次がいわゆるデリカシー問題です。来客者の男性に「生んだ後だけどお腹はまだずいぶん大きいんだね」と言われてイヤだったそうなのですが、思いきりスルーしていました。注意してほしかったと言われましたが、逆に自分が言いそうになっていたくらいでした。体型や美容についての話題はナーバスになりすぎるほど気をつけたほうがいいです。最後はスマホやデジカメで撮った写真。出産〜入院時は奥さんがはだけている場面も多いです。成功ショットの選り分けなどはあとでもいいので、少なくとも「見せてはいけない写真」を整理しておくべきですね……。

 NG行動を書いて落ち込みました。みなさんの失敗orトホホ話もツイートからぜひ教えてください。そのうち連載で紹介するかもしれません。次回は実録出産レポートです。お楽しみに。



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味のカジメン。パパに進化しました。3月1日から4月26日まで育休中。Facebookでおたより募集中

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