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ファッション×パーソナライゼーションでぴったりの洋服をお届け

2017年03月16日 07時00分更新

 みなさんこんにちは、トーマツベンチャーサポートの納富隼平(のうとみじゅんぺい)です。B2Cのベンチャーのいまを紹介する本連載第3回は“ファッション×パーソナライゼーション”について。ぴったりなサイズの既製品を紹介するだけでなく、”その人のための”製品が増えている理由を考えていきます。

 なお、本記事における意見は筆者の私見であり、筆者が所属するトーマツ ベンチャーサポート株式会社およびその関係会社の公式見解ではないことをお断りさせて頂きます。

ファッションにおけるパーソナライゼーションとは?

 ファッションで“顧客ごとのカスタマイゼーション”、すなわちパーソナライゼーションと聞いて思い浮かべるのはスーツなどの“カスタムメイド”や“オーダーメイド”ではないでしょうか。これ自体は昔からあるものです。これがオンラインやデジタルの力を使って、より安価に、効率的につくれるようになったというのが今回の本題です。

 また、ゼロから洋服をつくるカスタムメイドだけでなく、既製品の中から最適なサイズをリコメンドしてくれるというのもパーソナライゼーションと本稿では整理しています。それでは、パターンごとにどんなファッションパーソナライゼーションサービスがあるかを見ていきましょう。(本稿においてはちょっとだけB to Cを離れることもありますが、ご容赦下さい)

自分にピッタリの洋服をオーダーする

 たとえば、LaFabric(ラファブリック)が扱うのは(カスタム)オーダースーツ。今までオーダースーツというと、お店に行ってサイズを測ってもらうのが通常でした。個別に職人さんが製作してくれるのでお値段もなかなか……というケースが多かったのではないでしょうか。しかしLaFabricでは、一度店舗かオンラインで自分のデータを入力してしまえば、あとは何回でもECで自分に合うスーツやシャツを購入することが可能です。中間流通をカットすることや、デジタルを上手く使うことで余分なコストをカットし、高品質低価格なサービスを実現しています。

 また女性のファッションで特にサイズが問題になるのは、下着と靴(特にヒール)。下着のサイズが合わないと体調が悪くなってしまいますし(男性には想像しにくいですが、サイズの合わないワイヤーで体を締め付けられていると思って下さい)、ヒールのサイズを間違えると足は血か絆創膏だらけになります。FITTINAll For Meは女性下着のセミオーダーメイドに取り組んでいます。また、シンデレラシューズキビラは女性の靴の課題に取り組んでいます。

 nutteは“あなただけの縫製工場”を謳う縫製職人のクラウドソーシング。日本全国の縫製職人がnutteの裏側に控えており、あらゆる縫い物を製作してくれます。サイズもシルエットも自分好みの洋服から、コスプレまで作成可能です。

ECでのパーソナライゼーション

 ECで服を買うときの悩みのひとつは、サイズがわからないこと。こちらのブランドではLサイズなのに、あちらではMサイズがピッタリ、という経験がある方も多いのではないでしょうか。実店舗ではサイズ確認すればいいですが、ECではちょっと面倒ですね。そんな悩みに取り組んでいるのは、unisizeバーチャサイズ。一旦、自分や自分の洋服のサイズを登録します。そうすると次からはその服と比較してどうなのか、つまり、丈の長さや形の比較ができて、自分にピッタリの洋服が探せる、というわけです。これによりブランド横断で、かつEC(オンライン)で自分に最適なサイズが探せ、ECでサイズの悩みを減らせますね。

自分だけのアイテムをそろえる

 上記では“パーソナライゼーション”という言葉を、「自分のサイズにぴったり合う」という意味で考えましたが、「デザインがオリジナルで自分だけのもの」という意味もパーソナライゼーションには含まれています。

 たとえばmonomyは「3000種類以上のアクセサリーパーツを組み合わせて、自分オリジナルのブランドアクセサリーが作れる、買える、売れる、モノづくりマーケットアプリ」です。アクセサリーの悩みは、ほかの人と被ってしまうことや、どこかで見たようなものになってしまうこと。monomyならそのような心配もなく、自分だけのオリジナルのアクセサリーをつくることも可能です。

 買うだけでなく自分でつくれる、という意味ではシューズクラウドソーシングのROOYや、自分のブランドを作れるSTARtedなどもパーソナライゼーションですね。

 以上、色々なパーソナライゼーション関連サービスを紹介させていただきました。海外では化粧品や香水なども登場してきており、ファッションに限らず今後も、パーソナライズされた製品を安価に、簡単に作れるといったサービスは増えていくのではと感じています。

納富隼平(トーマツベンチャーサポート)

著者近影 納富隼平

2009年明治大学経営学部卒、2011年早稲田大学大学院会計研究科修了。在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人で大手電機メーカーを中心に会計監査に携わった後、2014年にトーマツ ベンチャーサポート株式会社に参画し、ベンチャー支援に携わる。毎週開催早朝ピッチイベント"Morning Pitch"、BtoCベンチャープレゼンイベント"sprout"、ベンチャーとベンチャーで働きたい人のマッチングプラットフォーム"faces"を責任者として運営。得意分野はファッションを含む衣食住等のライフスタイル関連のBtoCサービス。

●お知らせ
 毎週木曜日朝7時から“Morning Pitch”というイベントを開催しています。これは、ベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的としたものです。「ファッション」「ヘルスケア」「ロボット・ドローン」など、毎週テーマを決めて開催しています。参加できるのは大企業の方のみではありますが、テーマに沿ったベンチャー企業に一気に会える貴重な機会です。興味のある方は是非チェックしてみて下さい。

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