週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ソニーの4Kスマホ「Xperia XZ Premium」のカメラがすごすぎる

2017年03月03日 17時30分更新

「Motion Eye」を搭載した「Xperia XZs」。「Xperia XZ Premium」も同じカメラユニットを搭載する

 ソニーモバイルがMWC 2017で発表したXperiaシリーズの最新モデル「Xperia XZ Premium」と「Xperia XZs」。両モデルの前機種からの最大のアップデートポイントは“Motion Eye”と呼ばれる新型センサーを搭載したカメラ機能です。

イメージシステムを一新して、最新のCMOSセンサーを搭載

 搭載されるセンサーは「Exmor RS for Mobile」の最新版で、DRAMを積層した3層構造CMOSイメージセンサーです。これまでのCMOSセンサーは回路の上に画素が乗っている構造でしたが、今回の新センサーは画素と回路の間にDRAMを挟んだサンドイッチ構造になっています。これにより、画素が取り込んだデータをセンサー上にバッファーして、アプリケーションプロセッサー(APU)に送ることができます。

センサーにDRAMを搭載することで、データ転送速度が理論値で5倍向上

 センサーからアプリケーションプロセッサーへの転送速度は5Gbpsですが、画素からDRAMへの転送速度は25Gbps。数値上ではこれまでの5倍の情報量を扱えるようになります。

Xperia XZ Premiumを分解した様子

Xperia XZ Premiumに搭載されているカメラユニット

 この性能を生かした撮影機能が、スーパースローモーション。撮影モードをスーパースローモーションに切り替えてから動画撮影中に専用のボタンを押すと数秒間、960fpsのスピードで撮影されます。撮影後に再生してみると、通常の速度から急に超スローモーションでの再生になり、どうやって動いていたかが鮮明にわかるほど。

Xperia XZ PremiumとXperia XZsのカメラ機能は同等。画面右のボタンを押すと、6秒間スーパースローモーションでの撮影となる

 テキストでは説明が難しいので、実際に会場で撮影した動画を観てもらいたいのですが、雰囲気としては「サイボーグ009」の島村ジョーが加速装置を使ったときのアニメーション表現に似ています。

 スーパースローモーションの効果は1回につき6秒間ですが、間を開ければ同じ動画内で何回でも使えます。「女性が髪をかき上げる」といった日常生活の動きを撮影してもおもしろいし、自主制作映画で使えば、劇中で効果的なシーンに使えそうです。

 新センサーの性能は写真にも生かされています。そのひとつが“プレディクティブキャプチャ”機能。動きのある被写体をフレーム内に収めている際、その被写体が別の動きをした瞬間をキッチリとおさえてくれる機能です。いわゆる決定的瞬間を逃さず撮影できる機能といったところ。

プレディクティブキャプチャではバッファ内からベストショットを最大4枚ピックアップ

 こういった機能はデジカメやほかのスマホにもありますが、その場合シャッターを押す前から撮影し続けていて、その中から決定的瞬間を選ぶというもの。これが“Motion Eye”では、シャッターを押す前から撮影するのではなく、動きを検知して自動で撮影。バッファー内にため込まれたデータから、ベストショットを最大4枚までピックアップしてくれます。

 使い方もカンタンで、特に意識することなくシャッターボタンを押すだけ。プレディクティブキャプチャ機能が使われたときは、撮影後画面上にボタンが表示されるのでタップするだけ。画面が4分割され、ピックアップされた写真が表示されるので気に入ったショットを選べばOKです。

回転する筒から飛び出す人形を撮影。飛び出す瞬間やフレーム内に人形が収まっている状態がピックアップされた

 もちろん、基本的な画質もDRAMを搭載した効果が表われており、動きの速い被写体を撮影するときにCMOSセンサーで起こりやすい「フォーカルプレーン歪み」も抑えられます。これは従来のCMOSセンサーは画素を1行ごとに読み出すため、次行読み出し時に時間がずれてしまい、1枚の画像に合成したときに歪んでしまうという現象です。

 新センサーでは、DRAMへの読み出しがスペック上では5倍のスピードになるので、ズレが抑えられるわけです。

白飛びやつぶれを抑えて、しっかりした明暗差がある写真に仕上げられる

 そのほかのスペックですが、解像度は約1900万画素。前モデルの「Xperia XZ」が約2300万画素なので劣っているような感じはしますが、これは画素ピッチを拡大したことによるもの。その結果、より明暗の差を出せるようになっており、夜景などでもクッキリとした写真に仕上げられます。

 Xperiaのカメラ機能というと、モデルチェンジごとに「高画質化」などをうたってきましたが、ここ最近は進化が細かすぎて実感として伝わりにくかった印象があります。さらに画素数による高画質化に注力しており、筆者的には「ライバルはデジカメ」というような感じがしていました。

 ですが、今回のXperia XZ PremiumとXperia XZsが搭載した“Motion Eye”は、デジカメでは撮影できないような「楽しい撮影」ができるようになっています。単純にキレイな写真を撮りたいなら高級なデジカメを買えば良いわけで、スマホならスマホでしか撮れない、スマホならではの写真を撮って楽しみたいもの。

センサーが若干厚くなったため、本体からレンズが若干だが飛び出している

 もちろん「キレイに撮影できる」ことは重要ですが、Xperia XZ PremiumとXperia XZsでは特に「楽しく撮影できる」ことが期待できそう。久しぶりに製品版の登場が待ち遠しい、ワクワクするXperiaシリーズです。


■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事