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価格を下げて法人市場のシェアを狙う

HPのWindowsスマホ「Elite x3」の廉価版を発見! Windows 10 Mobileはスナドラ800番台で存続か!?

2017年03月03日 11時00分更新

MWC 2017のHPブース。法人向け展示が中心に

 スペイン・バルセロナで開催されたMWC 2017で、HPが未発表のWindows 10 Mobileデバイスをブースに展示しました。具体的な製品名は非公開ながら、年内に発売予定とのこと。

 その背景には、スペックと価格がハイエンドすぎた「Elite x3」の仕様を見直すことで、業務利用を加速させる狙いがあります。

Elite X3の後継モデルは
ハイエンドとは言え、買いやすい価格で登場か

 MWC 2017のHPブースで、ちょっと奥まったところに展示されたWindows 10 Mobileデバイス。一見したところ、HPが2016年に発売した「Elite x3」と外観はよく似ており、新機種とは気付かないほどです。

HPが開発中のWindows 10 Mobileデバイス。見た目はElite x3に近い

 本体前面にあったBang&Olufsen製のスピーカーは省かれているように見えます。本体背面には指紋センサーがあり、HPのプレミアム製品であることを示す新ロゴ「プレミアムマーク」を冠する点は、Elite x3と同じです。

 本体サイズはわずかに変わるものの、従来のデスクドックは共通で使えるとのことから、本体下部にはUSB Type-Cポートを備えていることがうかがえます。

背面には「hp」をあしらったプレミアムマークが

 製品の位置付けとしては、Elite x3から一部の機能をスペックダウンさせたモデルになるとのこと。価格についても、少し手が届きやすくなることが期待できます。

 ただし、ミドルレンジに下がるわけではありません。マイクロソフトとクアルコムはWindows 10 Mobileにおいて600番台のSnapdragonのサポートを中止したため、HPによればそれらのSoCを使ったWindows 10 Mobile端末を新規に開発することはできないとのこと。

 そのため、HPは今後もプロセッサーにはSnapdragonの800番台を使用する予定で、かなり高い性能を維持することは間違いなさそうです。

業務用端末としての普及を加速

 HPが後継モデルを開発する目的としては、業務用端末としての普及を目指している点があります。MWC 2017のHPブースも、アパレルショップを模した小売店向けのソリューション展示が中心となっていました。

 ここに展示されていたのが、バーコードリーダーを搭載した業務用バージョンのElite x3です。これは後付けのアクセサリーではなく、一体化した製品とのこと。

バーコードリーダーを一体化したElite x3の業務用モデル

本体上部に赤外線センサーを搭載する

 すでにバーコードを読むためのデバイスは世の中に多数存在しますが、それらを既存のソリューションにつなげるには専用のソフトウェアが必要だったり、カスタマイズも高額になったりするといった課題がありました。

 しかし、Windows 10 Mobileなら、アプリ開発環境はしっかり整備されており、LTEやWi-Fi、Bluetoothによるコネクティビティーも標準搭載。クラウドやほかのシステムとの接続も容易というわけです。

アパレルショップの業務用端末としてElite x3を利用する例

 とはいえ、単にバーコードを読むマシンとしてElite x3を導入するのは、もったいなく感じます。そこで基本性能を保ちつつ、業務用端末としてスペックと価格のバランスを見直すことで普及を図るというわけです。

800番台でWindows 10 Mobileは存続か

 最近ではトリニティが後継モデルの「NuAns NEO [Reloaded]」でAndroidを採用。マイクロソフトがSnapdragon 600番台のサポートを断念したことで、ミドルレンジのWindows 10 Mobileはいったん終了する形になりました。

 しかし、2017年1月に登場したAlcatelの「IDOL 4S」のWindows 10 Mobile版は、SoCとしてSnapdragon 820を搭載していました。そして今回、HPも後継モデルを開発していることから、今後のWindows 10 Mobileは800番台のSnapdragonで生き残っていくと考えてよさそうです。

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